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戦国終わらず・17

2010.12.14 - 戦国終わらず
あらすじ:大坂夏の陣で、徳川家康が真田幸村らに討ち取られた。さあどうなるの? ということで。
遅々として進まないながらも、17回目。
これまでの話
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前田家の援助を受けた金森重近が飛騨国を占拠したという情報は程無く、北の庄の松平忠昌のところにも伝えられた。
「…前田は越前を狙っていたわけではなかったのか」
ひとまず進攻を受けることはなくなったという点では安堵する忠昌であったが、だから安心していられるわけどもない。
「とはいえ、前田が飛騨を実質所有することになったということは、必ずしも望ましいものではない。それに勢いに乗じて攻めてくる可能性もないとは言えぬ。どうしたものか…」
忠昌は立花直次の顔を見た。当主忠直も、立花宗茂もいない以上、一番頼りになるのはこの男である。
「兄上はひとまず前田が攻めてくることはないと申しておりました」
「何ゆえ?」
「前田にも前田の立場があるからということでございます」
「とはいえ、手をこまねいていいわけでもなかろう」
忠昌は何もしていないわけではない。領内の防備を固めて、人材も探し求めている。彼の年齢(18歳)を考えてみればこれだけをしていれば合格点を与えてもよい。
とはいえ、それなりにこなしているからこそ、「まだ足りない、できることがあるのではないか」という疑問が忠昌には浮かんでくるのである。
「兄上は、できうることなら尾張の徳川義直様と連絡を通じてほしいと申しておりました」
直次の言葉に、忠昌の表情が険しくなる。
「…それはまあ、尾張から牽制してもらえば、それはそれでいいのやもしれぬが」
「問題があるのでございますか?」
「某はそうでもないが、むしろ兄上の方が義直を嫌っているのではないかと」
尾張藩は60万石を超える大藩である。その当主を、忠昌は呼び捨てにした。
その当主・徳川義直は家康の9男である。年は忠直、忠昌より更に年下であるが二人にとっては叔父にあたる。
しかし、この年下の叔父に二人は好感を抱いていない。
理由はそれぞれ多少違う。まず、忠直にとっては徳川と名前のつく全員が嫌いであるから、当然徳川義直もその一人にあたるものとして好きになれない。
忠昌の場合はもう少し単純であった。年下のくせに性格が生意気だということで好きになれないのである。
徳川義直は家康の息子であるし、高齢の子供ということで可愛がられたことからプライドはかなり高い。そのため、松平姓の甥に対して、彼は明らかに格下を見る ような目で見ているのである。これがそれなりに歳を重ねると遠慮や配慮も出てくるのであるが、互いに若いからそういう隠し事をできることはない。なまじ将 軍家と近い身内同士であるだけに反発も強くなる。
「それはそうかもしれませぬが、お家の一大事となればそうも言ってられませぬぞ」
「…民部少輔殿は当面の間、前田は越前には来ないと言っていたではないか」
忠昌は先ほどの直次の言葉を指摘する。
「…まあ、現時点では左様にございますが、そのうちそうなるかもしれませぬので」
「そのあたりは、某よりむしろ兄上に指摘していただかないと」
自分が嫌いという感情を、兄に押し付ける忠昌であった。


近江・彦根でも毛利勝永が飛騨の顛末の報告を受けていた。型どおりの対応だけ済ませると、勝永は佐和山に作った庵へと向かう。
「まずは飛騨を掌中におさめたようで上々でござるな」
老人の第一声。
「前田は次にどうすると思います?」
「…越前に攻め入るというのが当面の目標になるであろうが、ひとまずは大坂に播磨攻めを早急に行うよう要請してくるであろう」
「その真意は?」
「前田もまだ徳川と全面的に戦うだけの覚悟と準備はない。少なくとも、秀頼様を信用していない。大和中将(宇喜多秀家)がしっかりと地盤を固めて全面的に支援できるようにならなければ動くことはないだろう。であれば、今はここまでの状況で固めるべく外交で動こうとする」
「播磨攻めで池田が四面楚歌の状況に置かれるのは徳川にとって望ましくない。となると、一度講和を結ぶ。豊臣は播磨を攻めない。替わりに飛騨については前田の主張で妥協する、ということですね?」
「そうなると愚考する」
「豊臣と徳川にとってはそれでいいかもしれませんが、それを良く思わない者もいるでしょうね」
「無論そうでござろうな」
「越前に対して、現在我々はどうすべきでありましょうか?」
「ふむ。それについて、老人の意見するところはあるまいよ。わしが見るに、豊前殿の対応は全て正しいものと思われるのでな」
老人の言葉に勝永がにっと笑う。
老人は立ち上がり、庭先へと出る。
「次に戦があるのは…五ヶ月、いや、三ヶ月後くらいであろうか。その時にはわしも戦場に立ちたいのう」
「えっ、しかし、お体の方は…?」
「何、真田殿の下には齢九〇近くになって戦っていた者もおるとか。それを考えれば七五のわしが隠居ばかりしているわけにもおるまい。それに…」
老人は、その年齢とは思えないほどの鋭い眼光を向ける。
「やはり、わしは戦場で死にたいと願っておるのでな。でなければ、息子共も浮かばれん」

ちなみに対応が正しいとか伏線張りながら、勝永が何をしているのか全く作者の中で考えていなかったりするわけです(笑)

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