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戦国終わらず・16

2010.11.25 - 戦国終わらず
あらすじ:大坂夏の陣で、徳川家康が真田幸村らに討ち取られた。さあどうなるの?
これまでの話          10 11 12 13 14 15


飛騨国。
この地は豊臣時代から金森氏が治めており、閏6月に当主可重が急死したため、金森重頼が当主となっていた。
だが、その継承は自然なものではなく、不穏な気配が飛騨を支配していた。

話は4月、まだ夏の陣が戦われていた頃に遡る。
金森氏は東軍についていたが、可重の長男の重近は西軍寄りの考えをもっており、父親をしばしば批判していたのである。そしてこの月に行われた樫井の戦いで重近は西軍と戦うことを拒んだため、この戦いの後、可重は重近を廃嫡し、三男の重頼を後継者として指名したのである。
この判断は、当時の情勢そのままに東軍が勝っていれば。あるいは西軍が勝ったとしても可重が急死することなければ大きな禍根とはならなかったかもしれない。
しかし、実際にはその後西軍は奇跡的な逆転を遂げ、結果としては廃嫡された重近が正しかったことになってしまった。これで家臣団に動揺が走り、しかも、その混乱を鎮める前に可重が急死してしまったため、飛騨の国論は二つに分かれてしまった。
最終的には前当主の意思、ということで重頼の当主の地位が確認されたが、その日を境に重近と数名の家臣は飛騨から姿を消していたのである。

時は7月になろうとしていた。

「は~あ」
加賀との国境近く。国境とはいえ、山深いこのあたりを警戒している兵士はそれほど多くはない。兵士達の緊張も薄い。加賀の前田の動きは気にならないわけではないが、越前に攻めるという噂は飛騨にも広まっており、自分達が攻撃を受けるという意識は微塵もなかったのである。
ところが、そこを狙って前田軍が進攻してきた。しかも、ただ進攻するだけではなかった。
「よう、弥吉」
「おう、八兵衛じゃねえか。どうしたんだ? 最近見なかったけどよ」
「ああ、ちょっくら出かけててな」
「そうか。こんな落ち着かない時に出かけるなんていい身分だぜ…」
弥吉と呼ばれた兵士の話は、八兵衛の刀の前に打ち切られる。
「な、何のつもりだ?」
同じことは国境のあちこちで起きていたのであるが、もちろん弥吉はそれを知らない。
「ああ、飛騨は宗和様(重近のこと)のものになるんだわ」
注:実際には重近が宗和を号するのは大分後の話であるが、官職とか通り名がはっきりしないため、ここでは宗和ということにしておきます。勝手につけるのもややこしくなるだけなので。
そう言って、八兵衛は下を見るような顎の仕草をする。弥吉がそこを見ると…
「ま、前田軍…」
既に前田勢3000が悠々と国境を越えてきていた。

前田勢が飛騨に進攻してきたという報告が、実際に高山城に報告されたのは4日遅れてのことであった。それだけ前田勢の進攻は隠密裏に行われていたのである。その影にいたのは、もちろん廃嫡された重近であった。彼が金沢へと走り、前田の援軍を求めたのである。当然、前田利常もその好機を逃すはずがない。秀頼に対して金森家の家督に関する書状を送ると、すぐに進攻したのである。もちろん、できるだけ楽に飛騨を手に入れられるよう、越前攻めの噂を流してのことであった。
「おのれ宗和、前田の走狗となったか!」
城の中で重頼が吼えるが、吼えて情勢が変わるわけではない。前田勢はおよそ5000の軍勢で押し寄せてきているが、山地が多いうえ、人の少ない飛騨ではそれだけの兵力をすぐに集めることができない。援軍を呼ぶにしても山の中なのですぐに到達できるものでない。
更に援軍要請の届いた美濃や越中では、前田が重近の与力も得て飛騨を攻めたという話を聞いて、「寄越しても無駄だろう」と諦めてしまったのである。
7月13日、前田勢は金森家の内通者などの手引きにもよって、易々と高山城まで押し寄せた。
「…おのれ」
城下を賑わす前田勢の旗印を見ながら、重頼は歯軋りを繰り返す。彼も決して無能ではないが、20歳の当主にできることは少ない。
包囲されて3日後、重頼は高山城を落ち延び、美濃へと逃亡していった。

同じ日に、金森重近が高山城に返り咲き、家督を継承したことを宣言した。もちろん、異論がないわけではない。しかし、前田家の支援がある以上、表立って反抗するものはいなかった。
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Comment

あけるなるが高山 - BlogPetのあけるなる

2010.11.25 Thu 15:36 URL [ EDIT ]

あけるなるが高山城は報告ー!

模様替え? - grendel

2010.11.26 Fri 07:22  [ EDIT ]

サイトのデザインを変えられたのかと思ったらshinobiがiPhone対応のを提供始めたみたいで。

金森というと長近くらいしか知りませんでした。
さすがネタ元が豊富ですね。

>grendel様 - 川の果て

2010.11.26 Fri 16:48 URL [ EDIT ]

iPhoneを持っていないので、そのあたりの変化については分からないです(笑)

金森氏は蟄居後の忠輝を預かっていたりということで地味ながら、存在感はあったみたいです。

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