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戦国終わらず・14

2010.11.10 - 戦国終わらず
歓迎している人がどれだけいるかは不明な復刻シリーズ・その1

あらすじ:大坂夏の陣で、徳川家康が真田幸村らに討ち取られた。さあどうなるの?
これまでの話          10 11 12 13

越前国・北ノ庄城。
ここしばらく松平忠直の弟忠昌は城内で緊張した様子を崩さないでいた。
「兄上と左近将監殿はまだ戻らぬのか?」
暇さえあれば、侍従に落ち着かない様子でこう尋ねている。
既に東の加賀・越中で前田利常が兵に動員をかけているという報告が来ていた。越前切り取り自由の沙汰が与えられている以上、狙いが越前であるのは明白である。
にもかかわらず、忠直も立花宗茂も戻ってくる気配はない。もちろん、家康と秀忠の葬儀が滞りなく終わるというのは重要なことであろうが、留守を任された方としては溜まったものではない。
もちろん、不安なのは忠昌だけではない。前田勢がまともに攻め込んできたらどうなるのか。守りきれる自信のあるものは少なかった。

そんな状況であるから、6月15日に宗茂の弟立花直次が戻ってきたという報告は忠昌を喜ばせた。兄宗茂に比べると無名であるが、その指揮采配力は兄にそう劣るものでもない。
「民部少輔殿、兄上と左近将監殿は何時戻られる?」
とはいえ、最初に尋ねるのはやはり主力となるはずの二人の帰還の時期であった。
直次は浮かない顔で答える。
「当分は江戸を動けないとのことでございます」
「何ですと?」
当然、忠昌は落胆する。
「兄上は前田に越前をくれてやれと申されるのか?」
「いえ、そうではござらぬ」
「そうでなければ下手をすると近江からも挟撃を受けるかもしれぬ状況でどうせよと申されるのだ?」
「…我が兄立花宗茂が申すには、敵は越前まで攻めてこぬので防衛の準備だけ滞りなく進めておけばよい、とのことでした」
「攻めてこぬ?」
忠昌は目を見開く。
「越前を攻めぬとあれば、敵は何のために兵を動員しておるというのか? 単なる撹乱のためか?」
「そこまでは話してはくれませんでしたが、とにかく、今はしっかりと内治の整備だけ進めていてもらえればよいということでした」
「…分かった。そこまで言われるからには、どうなっても兄上の責任ということでよろしいな?」
忠昌は不承不承という様子で引き受ける。
「とはいえ、やはり不安ではある。できるだけ多くの者の動員をかけよ」
松平忠昌はそう命令を下す。
この命令により、かの大谷吉継の息子大谷泰重らが馳せ参じることになるが、それは少し後のことである。

近江・彦根。
今や豊臣政権の有力大名となった毛利勝永は、その石高をもって浪人らの中で活躍目覚しかったものを取り立てていた。そのため、彦根城の中は非常に活気に満ちた雰囲気となっており、まだ完成していない城の建築が急ピッチで進められていた。
そんな城から少し離れたところ、廃墟となっている城址のあたりに毛利勝永がいた。その隣には杖をついた老人がゆっくりと歩いてきている。その目には涙が浮かんでいた。
「まさか生きているうちにこの地に戻ってくることになろうとはの」
「さすがに現在、彦根の城があるとなると佐和山を復旧させるのは現実的ではござりませんので」
「分かってござる。某としてはこの地を再び目にすることができただけでも十分にござる。感謝しますぞ、豊前殿」
老人がゆっくりとした動きで勝永に頭を下げる。
「とんでもございません。某こそ貴殿の智謀に何度も助けられましたゆえ」
「…わしの智謀等大したものではござらぬ」
「…ですが、徳川勢に勝てたのは全て貴殿の指示通りの策を入れたゆえでござる。もし、治部少輔殿が貴殿の意見を容れていれば、と今改めて思いますなぁ」
「……」
「あ、申し訳ござらぬ」
「いや、気にしておらぬよ。豊前殿、頼みがある」
「何でござろう?」
「城はいらぬゆえ、この地に庵のようなものを作ってもらえぬか? わしはいささか歳を取りすぎたゆえ、自分で作ることはできぬでのう」
「たやすいことでございます」
「感謝いたす」
その後、二人はとりとめのない話をしていたが、不意に勝永が話題を変える。
「前田殿が戦準備をしているようです」
「存じておる」
「越前でも応戦準備をしているとのことですが」
「おそらくはそうはならぬだろう」
「と申しますと?」
「前田勢が攻め込むのは恐らくは飛騨でござる」
「…実は某もそうなのではないかと思っておりました」


こんなにあっさり謎名目の人物の正体をバラしていいのか、という気はするわけですが(笑)

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Comment

無題 - いち

2010.11.11 Thu 14:21  [ EDIT ]

歓迎していますよ!
ありがとうございます。

久々なので最初から読み直したら最初に読んだ時より理解できました。

>いち様 - 川の果て

2010.11.11 Thu 23:51 URL [ EDIT ]

歓迎いただきありがとうございます。

ただ、その1とある以上は、誰も歓迎していないその2があるということも示唆しておりますので(苦笑)

私も半年ぶりかに読み直して(作者がそれでいいのかという突っ込みはなしということで[苦笑])、色々整理できた部分もありました。こんな風に進んでたんだと思い切り他人事のように捉えていたりと…

以降は毎日はさすがに無理ですが、それなりに定期的には更新していきたいと思いますので、気になる点などございましたら、またご指導いただきたく思います。

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