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2011年は勝てるのだろうか…?
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さて、ひょんなことから22のタロットカードを象徴する者達を探さなくなったあたしカイ。
大賢者オシムが「これを持っていれば、象徴する者と会った時にカードが反応する」ということでタロットカードをくれたので、一応それをカバンに入れて早速探しに行くことにしたわ。ま、どうせ他にすることもないから目的があった方がいいかもしれないしね。
で、まず思いついたのがあの男。そうあの男よ。ひとまず白い巨人と呼ばれる一味のアジトに向かうことにしたの。汎用人型兵器は地図とか地形のインプットが可能だから、純白騎士カイトがいるとこのあたりが楽ね。
そんなこんなで向かう途中、小さな街を通りかかった。
すると…
「ああ、とんでもないことだ。この世はまるで暗闇であるかのようだ…」
そう言って街の人達が嘆いている。
そう、ここにもあの女の気配が…
しかし、あたしはお姉ちゃんほど人が良くないので、一々悩みを聞いていることはできない。大のために小を捨てることもある。悪く思わないでと通り過ぎようとした。
「ちょっと~、オイラがぼやいてるんだから、何があったのくらい聞いてよ~」
するとぼやいていた街の人達が一斉に追いかけてきたのよ。信じられない!
「…じゃあ、何なのよ」
「実は、数週間前から近くのフジヤの工場に大量のネズミが入り込み、そこにあった生クリームなどが全部ダメになってしまったんだ。でも、ネズミが多すぎる上に工場が業務中止を喰らって誰も入り込まないし、誰も掃除をしないからもう大変な状態になっている…っていうわけ」
不二家、洋菓子販売休止 賞味期限切れアップルパイ、期限偽造プリンも出荷(スポーツ報知)
「…それはとんだ災難ね」
大したことじゃないじゃない。
と思ったのが顔に出たのか、みんな顔つきを険しくした。
「アンタ、どうせ他人事だしとか思っているんだろう。酷い、酷すぎる人だ」
いや、本当他人事だし。掃除ならダ○キンに任せればいいじゃない。
「…姫、この人達は可哀相です」
うわ~、カイトまで同情を始めたわ。純白になって、ある意味お姉ちゃんと波長が近くなってしまったのね。
…仕方ない。一々掃除なんかするのは面倒だけど、カイトにさせればいいか、という条件で引き受けることにしたってわけ。全く、嫌んなっちゃう。
さて、あたしと純白騎士カイトはその町外れにあるというフジヤの工場を目指したわ。
「もうあと1キロくらいですな」
純白騎士カイトの回路に地図をインプットしたおかげで、道中は至って楽だわ。汎用人型兵器はこういう時には便利よね。
とか思っていると…
「ねえ、何か変なにおいがしない?」
何というか、牛乳の腐ったようなおそろしい悪臭がそこはかとなく…
「ピピピピ。どうやら、1キロ先の工場が発信源のようです」
「…ちょっと待て」
「何でしょう?」
「臭いってのは発信源から離れれば離れるほど、薄れていくものよね?」
「もちろんです」
「で、1キロ先まで臭いが届いてくるということは工場の内部は…」
「完全密閉した防護服が必須となるくらいに悲惨な状態でしょうな」
「…作戦変更。そんなところ掃除できっこないわ。やっぱり専門家を呼ぶ必要があるわね…っと待って」
あたしは携帯電話を取り出し、知り合いに電話した。
『もしもし、シェフのチェンコだが…』
「シェフのチェンコ。今週もベンチで暇でしょ。ちょっとあたしを手伝ってくれない?」
あたしは手短に説明をした。
『俺はシェフであって、クリーナーではないのだが』
「でも、時間を止めれば臭気が移動しなくなるから臭いとかもしなくなるんじゃない?」
『確かに臭気はその場に止まるが、俺が移動すれば俺の鼻腔に結局届くわけで変わりはない』
「むむむ。確かにその通りだわ」
『…まあいい。知り合いに一人、その手の奴に近い奴がいるから紹介してやろう』
そう言って、シェフのチェンコは彼が以前まで住んでいたサンシーロという街に行くといいと教えてくれた。
しばらく歩いてサンシーロについたわ。
「ここにカカーって男がいるはずなんだけれど」
とりあえず、あちこちで情報収集。そうしていると、
「や~、僕を探しているのは君達なのかな(な~の~か~な~♪)」
「………」
「どうかしたのかい? 鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているけれど(ま~めでっぽ~♪)」
現れたのはとてもハンサムで人当たりの良さそうな男だった。しかし…
「その意味不明のバックコーラスは何なのよ?」
「ああ。僕ほどの優等生となると、言葉の端々まで洗練されるから、話し言葉にもバックコーラスがつくのさ(つ~く~の~♪)」
「かえって変なんだけど…あなたがカカー?」
「…!!」
「どったの?」
「…必殺!!(い~ちげきよ~♪)」
うわ~っ!!
カカーがいきなり踵落としを地面に食らわせると大規模な地崩れが発生して、危うく飲み込まれそうになったわ。もちろん、汎用人型兵器のカイトは余裕だし、あたしももういい加減慣れたから回避能力もついたことで難を逃れることができたけど。
「何すんのよ!」
「…発音には気をつけてくれたまえ。僕の名前はちょっと発音を間違えると、汚物を意味してしまうのだからね(き~を~つ~け~ま~しょ~♪)」
「…だからって、いきなり必殺なんてやらなくてもいいでしょ」
…というより、こいつ、特に掃除が得意そうにも見えないんだけれど、ひょっとしてシェフのチェンコがこいつを勧めたのは名前がそんなのだからとかいう理由なのでは…
…きっとそうに違いないわ。チッ、やっぱ業者に頼めばよかった。
と思った瞬間、
カバンの中から急に激しい光が放たれたかと思うと、一枚のタロットカードが飛び出したの。
「ま、まさかこいつが…タロットの象徴する22人の1人…」
「…き、君、そのカードは?(な~に~♪)」
浮かび上がったカードは、ハイエロファント(教皇)だった。
その力で、工場を掃除しては…くれないんだろうな…
というか、管理人はカードの割り振りはともかく、カードを象徴する奴を話にどう絡ませるか考えているのかしら?