川の果ての更に果てに

福岡県で中学２年の男子生徒がイジメを苦に自殺したという話で、学校の担任まで加担したということで色々問題になっています。
自殺という選択を選んだ少年の心の苦悩たるや想像を絶するものもあるでしょうし、そのことについては部外者が軽々しく口を出していいものではないだろうと思います。
また、両親に無記名でやってほしいと要請されたアンケートを記名式にしたりと、かなり問題のある学校であることは確かなようで、何ともやるせない話です…

しかし、以前もイジメの問題を取り上げたりしたわけですけれど、イジメってそもそも撲滅できるものなのかという疑問は未だ消えません。

もちろん、なくなるならなくなったに越したことはないですが、イジメ自体は大人の世界でも普通にあるわけですし、人間は全員が聖人であるはずもなく、好悪の感情というものがあるわけでどうしてもでてくるものだという気がするんですよね。企業でだってあるわけですし、プロ野球チームとかプロサッカーチームでだってあるわけで。で、そうしたところがいじめとか指摘されても全部隠蔽したりするわけで…
まあ、これについてはだから学校が隠蔽していいと言いたいのではなく、どこも隠蔽しているのに学校での問題だけ殊更問題視するのもいかがなものかと言いたいわけで。

子供社会は大人社会の縮図でもあるわけで、子供が大人を苛めるなとか、上司たる教師が子供を苛めることを一つもなくすというのは、これは無理な話なのではと思うわけです。逆に「好悪の感情などもってはいけない。みんな仲良くやりなさい」なんて言った方が抑圧されて鬱屈した精神状態になって、それが何かの弾みで爆発して惨事になるなんてこともあるのかもしれませんし。

である以上は、「イジメ自体をなくそう」とかできないことを言うのではなく、むしろイジメがあった場合にどうするか、特に虐げられている側に回った時にどうすればいいのかということをもう少し社会全体で考えてみてもいいのではという気はするんですけれどね。例えば、地震対策にしたって予知よりも発生時にいかに被害を食い止めるかを考えるべきだという意見が支配的なわけですが、同じことがイジメなどにも言えるんではないかなと。

いじめられた経験者あたりに色々聞いてみるなどして、どうやって耐えるかとかどうやれば効果的だったかなどを色々調べてみるとか、要は起きてから被害をどう防ぐかということを考えた方がいいんじゃないですかね。イジメ自体は大人になってからもあるわけで、教育現場でイジメをなくそうとかパワハラに対抗しようとか掛け声だけあげるよりも効果的なんじゃないかという気がするんですね。
例えば、いじめられた場合のネット相談先・電話相談先（ただ、電話だと多忙を理由に相手されない恐れもありそう）みたいなものを用意しておいて、入学式とか始業式の際に告知することを義務づけるとか、「いじめはあるんだ。それ自体は根絶できないのだ」という立場に立って物を考えた方がかえってやりやすいんじゃないかという気もするんですけれどね。
その方がやられた側もやる側も正常に戻り易いのではという気もしないではないです。

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