川の果ての更に果てに

大学によっては毎年１回ほど法要を営んで、これまで献体してくれた人に感謝の意を表したりしているなんて話もあるそうです。
高齢化社会になって墓に行きづらくなった（だから最近は代行業者もいるらしい）り、あとは放置とかのせいが最近では墓が荒れ放題になっているという話もありますから、むしろこういうところで世話してもらった方が後々供養してもらえる…という意識になるものなのかもしれません。

死生観に変化、献体急増２１万６千人…登録制限も（読売新聞）

もちろん、そのあたりの動機となると献体の趣旨とは反するので記事にあるように大学としては困るというか断りたいというのが本音になるのでしょうけれど。

ま、動機が何にしろ献体数が増えるということは医師のスキルアップと倫理観向上につながるということでそれ自体は歓迎されるべき話。
こうした傾向が医療崩壊のせき止めや検視水準の強化につながってくれるものと期待したいところです。

ところで記事の中に、家族に相談なく献体を決めたことで娘が悩むとかいう松嶋奈々子主演の映画の話が出ています。確かに家族の死後、その遺体が医師に解剖されるということになると抵抗を覚える人はいそう。
ただ、死生観とか宗教観なんてのは家族であっても違うものが当然でしょうし、そのあたりは仕方ないんじゃないかなという気もします。