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現代日本はどの時代に酷似?

2009.02.13 - 天体と歴史
最近は歴史もサッカーもネタ系のエントリが多く、はっきり言ってそれを書いている方が楽しいのですが、それなりに触発されるものを見たりした時には程度のほどは別として真面目なものも書こうかなという川の果てです。

今回は歴史関係でちょっとばかしマジメなものでも…
参考にさせていただいたのはこちら。
統治者の資格 第五回「徳川家康・前編」(ごったでざったなぶろぐ)

家康に限らず、日本史愛好者は何故か成功者には冷たいような気がします。

長期武家政権をまともに築いたのは、

源頼朝
足利尊氏・足利義満
徳川家康

の3名+1ですが、普通長期政権の創設者なんてのは非常に評価が高いのに、この3名ともともすれば同時代の中で並以下の評価がされているわけですからね。
まあ、足利尊氏に関しては実質直義のなしていたところが大きいという評価もあるので(宋の趙匡胤と趙匡義の関係に近いかも)、尊氏だけが凄いというわけでもありませんし、築き上げたものも不安定極まりないものでしたのでJOOさんの言われるようにややこしいことになっていたわけですが。
ただま、その後実質的に室町幕府を形あるものにした足利義満にしてもそんなに評価は高くないですからね。やれ国辱外交とかやれ天皇の地位を狙っていたとか難癖つけられているわけで。

源頼朝なんてのは悪役で語られるわけですけれど、武家(王や騎士)階級が封建制を築いて、その後近代を迎えたというヨーロッパと対比すればカール大帝とかに相当する人ですよ、この人。個人的には外国の人に「日本史通史で最重要な人は誰だ?」と聞かれれば源頼朝と明治天皇(近代立憲国家へ転換したのがこの人なので)の二人をあげるつもりくらいですので。
ぶっちゃけ義経なんかいなくても頼朝単独で平家を倒せたわけで、それが分からなかったから義経は自壊したわけですしね。

とまあ、書いて別にそのあたりはどうでもいいのです(最近の長文はこのパターン多いな[笑])。本題はここから。

参考させていただいたところでは、JOOさんは後半部分で徳川政権の官僚政治と現代の官僚政治とを対比させつつ意見を展開されています。

これについてもちろん現在の状況が望ましいものと思わないことは私も一致しており、それを徳川政権の安定していたけど停滞していたのと比較するのも特別異論はありません。
ただ、厳密に考えると私は徳川政権の官僚制と現在の官僚制は違うのではという気もしています。
何が大きく違うかというと徳川時代は代々官僚になることが決まっていたのに対して、今の日本の官僚は官僚の息子だから次も官僚になれるわけではないということですね。
つまりまあ、徳川時代には松平定信とか水戸藩の人みたいな健全なエリートイズムを持つ人もいたわけですが、反面老中とかの馬鹿息子も奉行所とかいたりしたわけで、大塩平八郎なんかはそのあたりの下々の立場が分からない奉行と喧嘩した結果、最後は反乱を起こすことになったわけです。
その点では現在は事務次官の息子だから無条件に省にいることはできません。やはり試験に通らなければならない。1点や2点なら絶対操作できないこともないかもしれませんが、少なくとも馬鹿息子が官僚になることはできません。

もっとも、それはそれで能力の担保になっていいのですけれど、逆に次が保障されていないから蓄財に走るという側面も否定できません。例えば田沼意次なんてのは本来老中格の家柄ではなかったわけですが、老中になれて、で、是非は別として賄賂政治を横行させたという話。
近代でも田中角栄なんかは下から這い上がってきた人ですが、この人も金権政治を横行させたりということで下を知っているとマネーパワーを信奉するという側面もあるのかもしれません。無論、それが一概に悪であるというほど単純な図式でもないわけですが、まあ、そこはいいでしょう。

そのあたり踏まえて私的には日本の官僚政治はどちらかというと中国の明時代に近いんじゃないかなぁという気がします。頑張れば自力でなれる、でも自力でなってもそれ自体の報酬は低くはないけどものすごく高いわけでもない(例えば宋とかは無茶苦茶高給だったので、方法論の是非や能力はともかく国家のために頑張ろうという官僚は多かったらしい)、中国は科挙制なので自分の次は保障されてない、だから自分のうちに色々やる、みたいな形。
で、まあ、明末は党派の争いとかも酷かったわけですね。宦官の魏忠賢とかいたりして他党を徹底的に弾圧していて、魏忠賢が失脚すれば今度は彼の一派が徹底的に叩かれるということで。
そこまで堕ちているかどうかというのは何とも言えませんけれど、昨今の政局も若干明末に似ていると言えなくはないかもしれません。ま、政治家と官僚が一緒くたになっていた明と一応分類されている今の日本は違いますけれど、分類されている分、余計にややこしくなっているという指摘もできるかもしれません。
政治家が門閥で、官僚が叩き上げで双方の悪い部分が出ているなんて考えると最悪かも(苦笑)

ということで、何だか私としては明末が一番近いような気がするのですよね。派遣切りなんてのも明末でも労働者の解雇が大量に行われていたわけで、じゃあそれがどういう帰結を迎えたかというと李自成とか当時沢山いた反乱軍に加わって明を滅ぼした、とまあそんな感じ。もちろん明末には清もいましたので、全部そのせいともいえませんが、まあ事実上は自壊に近そうです。
年末年始の派遣村に疑義を呈した人とかいましたけれど、数を集めて支援や協力を求めるだけで反乱軍に加わらないだけマシじゃないか、とか個人的には突っ込みたくなりましたけれどね。

ということで、このままですと我々としては平成の李自成の出現を待つしかなくなるのかもしれません。末尾が成で一致してますし(爆)

とか長々書いた後に書くのもあれですけれど、毛利元就が言うには(元就の事績はパクリが多いので本当に本人が言ったかどうかは定かではないが)「汗水をたらそうとせず、したり顔で語る茶坊主(評論家)が増えると国は滅ぶ」のだとか。
なので、「おまえみたいにあれこれ評論するだけで握り飯の一つでも作ろうとしないのばかりだから、日本がダメになっているのだ」と元就公に言われると「へへーっ、仰せのとおりでございます」と平伏するしかありません。
と、最後にそういうオチをつけて終わり。
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Comment

こんにちは - JOO

2009.02.15 Sun 11:09 URL [ EDIT ]

ご紹介ありがとうございます(笑)

官僚政治の世襲の差違については視点に入れた事がありませんでした。そういうものの影響ってどうなんでしょうね。

それと頼朝!おっしゃるとおりこの人は過小評価されすぎだと思います。
この人が考えたのか、或いは本当に意図していたかどうかは別にして、幕府を建てたときに皇室を残したというそのセンス!
既に当時皇室の性格がある程度固まっていたとはいえ、承久の乱後の北条の差配も頼朝の思想を踏襲しているように思います。

最初はこの一連の記事で長く続く国家や政治家に共通する事はあるのかということを上げていくつもりでしたが、どうしても現代の状況と比べざるを得ません。
長い歴史の中で我々はどんな位置を占めているのかを知りたいものです。

>JOO様 - 川の果て

2009.02.15 Sun 16:51 URL [ EDIT ]

個人的には世襲だとエリートイズムが期待できる反面、馬鹿もいるってことがあるような気がします。水戸藩でも幕末我慢が聞かなくて暴発してたのもいましたし。

頼朝の構想はバランスが抜群でしたからねー。
守護や地頭みたいな頼朝の制度が結局戦国まで続いていたわけですし、徳川政権もそこを根底から変えたわけでもないですし。

どんな時代にも現代との共通点はあるような気はしますが、今の日本なんかは特にあちこちのいいとこどりを目指して、そのそれぞれの悪い部分が噴出している…ってなところもあるような気がします。
ただま、人はもちろん、国家制度も老いてやがて消えゆくというのは歴史の必然でもあるのでしょうから、間違いない帰結点を探し求めることなんかも必要になるのかなー、という気がします。
と書くと、まるでもう寿命寸前みたいですけれど…

無題 - BKO

2009.02.19 Thu 00:23  [ EDIT ]

こんばんは。某所でお世話になっております。
少し遅くなりましたが、書きたい事が多かったのでコメント失礼します。


長期政権の創設者ですが、もしも歴史の解明が進めば、継体天皇が脚光を浴びるかも?なんて考えてました。あと、北条義時・泰時はオリジナリティは皆無ですが、上手く頼朝をコピーして100年近い全国政権を樹立したので、3名+1(おまけ2)ぐらいの扱いでもいいかな?とか(笑)。

頼朝の政治力は凄いですよね。日本史通史でも1,2を争えると思っているのですが、評価は低いですね~。家康は、政治手法そのものはオーソドックスですが、状況判断と応用力が凄いなぁと思っております。


江戸と今の官僚制の違いですが、世襲と試験それぞれの利点と弊害は、結局は九品中正と科挙のそれに繋がる気もします。エリートのプライドも、学力も、現状を大過なく過ごす為に注がれたのでは仕様がないというか。。

最近は、政治家も含めて「集団の罠」みたいなものが大きいのかな?なんて考えてます。個人として話をすると大多数は普通に能力のある方々なのが、集団になるとどう考えてもおかしい事を言い出す辺りが・・・。

個人的には、今の日本は例えると天明年間ぐらいで、大飢饉(経済危機)があって政府の対応も酷いのに、まだ新体制を求めるだけの流れにはなっていないという悲観的な考えを持っております。間違いだと良いのですが。。。


では、失礼しました~。

>BKO様 - 川の果て

2009.02.19 Thu 09:41 URL [ EDIT ]

いつもコメントありがとうございます。

継体天皇ですか。古代は色々説も変転していますけれど、古代王朝の安定期がこのくらいから始まったと考えると確かに無視できないかもしれないですね。
北条義時と泰時の二人も無視できない存在ですよね。ほとんど反発もなく乗っ取りに成功した手はずも見事ですし、頼朝の公家武家の分割を将軍位まで応用して祭り上げるなどした政治手腕も見事でしたし。

>世襲と試験それぞれの利点と弊害は、結局は九品中正と科挙のそれに繋がる気もします~
うまくいくときはどちらでもうまくいくんでしょうけれど、逆にダメになるとどちらでもダメになるんでしょうね。だからといって短絡的に変えればいいというものでも無さそうなのが歴史の暗示でそのあたりが難しいのですけれど。
結局のところは、上杉鷹山あたりがやっていた「無理にあれこれ変えずに今いる人間をもう少しずつ前向きにさせて頑張らせる」みたいなところに行き着くのではないかと思うわけですけれど。

天明時代ですか。
明末とか、あまり明るくない時代ばかり出てくるのが厳しいところですねー。
でも、まだ打ち壊しとか天災がないので、実はこれから天明期に入っていくのかも…とか考えるとブルーになります。

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