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内田篤人を考える

2010.07.03 - サッカー
当ブログが個々の日本人選手で独立エントリを立てるのは、本人が自覚して立てる分には3人目です。
1人目はドイツ・ワールドカップ直前の時の中村俊輔で、当時「エースだ」と期待されていた俊輔の問題点とかを書きまくって、「この中田信者め」と叩かれたりしました(笑)
2人目はリクエストがあって書いたものでしたが、ヘラクレスでオランダ語が出来ないという理由で退団した平山相太について。具体的に何を書いたかは忘れました(オイ)。

そして3人目-自分から書くという点では俊輔に次いで2人目ということになりますが-は2010-11シーズンからシャルケ04に移籍する元鹿島アントラーズのDFで日本代表ライトバックである内田篤人ということになります。

高卒と同時に鹿島アントラーズの右サイドバックとなった内田は、優れたセンスとスピードのある攻め上がりでユース代表はもちろん、程無く日本代表にも登りつめました。
当然、周囲は「内田がいれば日本の右サイドバックは5年10年は安泰だ」となりました。私もそうなるものと期待しておりました。

現実はどうか。
ワールドカップで堅守との評価も受けた日本代表の右サイドバックはドイツの時にもいた駒野でした。今野がケガをしていなければ今野だったでしょう。今野でもそれほど違った評価を受けたとは思いません。
ただま、内田個人の観点で見れば、専業右サイドバックでありながら、右SBの3番手まで転落していたことになり、極論すれば一番いらない選手だったということになります(世間では一番いらなかったのは中村俊輔という話もあるものの、彼は海外でも知られているので、足を引っ張ったりしない分にはベンチに置いておくだけでも価値はあった)。

私は半年ほど前からmixiで内田を話題に出していて、「彼についてはいずれ個別に触れたい」と書いていたのですが、その時どういう意図で書いたかというと、「内田はサイドバックじゃないよね」というもの。ま、それでもその時は本大会で完全な数合わせにまで落ちぶれることになるとは思ってなかったのですが(苦笑)
そこではまあ、サイドバックなのに馬力を感じさせるプレーが少ないというのを書いてました。
それ以外に世間的には内田に関しては守備力というかフィジカルに不安があるというのが難点として取り上げられています。

ただま、フィジカルに関しては私は評価を下しにくい点もあって、個人的には馬力がない以外で内田の最大の問題というのは、

ディフェンダーなのに守備で逡巡する場面が多い

というものではないかなと。行くか行かないかという場面で、他の選手に判断を任せて自分は引いてしまってるように見えるケースが多いんですね。
一年目でそういうのが多いのはまあ仕方ない。しかし、去年もそういうシーンは何度も散見されていてこの部分では進歩してないように見られてなりません。

で、まあ、もちろん内田が地位に甘んじて進歩の意欲を失ったという風に考えることもできるのですが、そう考えるには内田にちょっと可哀相な面もある。
何が可哀相なのかというと、内田の序列が鹿島の中では全然変わってないんですよね。
元々内田が入った時というのは名良橋が落ちてきて、ポジションは限りなく与えられたに近いものだった。で、高卒一年目ということでもちろん判断に難点があっても許される部分があるし、そこは周囲がカバーして内田のいい面を引き出していたと。
で、四年立った今、やっぱり内田は一番年少の守ってもらう立場なんですよね。守備のポジションで内田より年下の選手は出てきていないし、右サイドバックのポジションに誰か獲得したということもない。
もちろん、周囲は「もう一年目ではないのだから自覚をもて」と言うでしょうけれど、選手が変わらなかったり、内田より更に若い選手が出てこない限りは一旦ついた序列というのは中々崩れない。
刺激がないので自覚を促されない以上、内田が安穏と甘んじてしまっていたとしても仕方ない部分はあります(例えば去年興梠が明らかにレベルアップしたのは大迫が入ったことと無関係ではないはず)。

ま、それは鹿島で通用する話で代表に関しては、五輪→アジア予選→世界レベルとなる中で当然要求される水準は大きくなっていって、内田は段々ついていけなくなったのではないかということになるわけですが、それはひとまず置いておいて。

今回たまたま内田は見る機会も多い選手で、伸び悩みぶりがよく分かっただけに気付いたのですが、どうもJリーグ全体でこういう若手選手ってのは多いのではないかという気もします。
水野の出てきた時というのはよく分かりませんが、あるいは水野とかそうだったかもしれない。レッズには最近若手選手が多くて、彼らは一様にポテンシャルを期待されている選手ですが、これまた適切な刺激を与えてあげないとやはり伸び悩むかもしれない。

Jリーグの若手選手は柏木とかのように、中小から大きなクラブに移籍してきて刺激を与えられるというケースはありますが、そうでない選手(例えば最初から鹿島なり浦和なりにいる選手)に関しては、これはチームの側で伸びるように適切に刺激を与えてやらないといけない。
ところがそれが少ないわけで、それこそベテラン選手が「今の若手選手は待っていればポジションを与えられてしまう」と嘆いていたりする話があるわけですが(もちろん年俸抑制の意味合いもあるのだろうが)、与えられるだけでなくて、与えられた後でも「しばらくは使ってやろう」ということで競争が免除されてしまう(これも競争相手を獲ると年俸抑制にならないからというのがあるのだろうが)。

もちろん、競争も激しすぎるとまずいというのは某巨人の監督も言ってまして、このあたりは選手を育てるボクシングのマッチメークなんかと似てる部分があるかもしれません。ギリギリ勝てそうな相手と試合やって勝たせるのが選手が一番強くなるわけで、以前の某一家のように確実に勝てる弱い相手と試合してもあまり伸びない。それでも彼らはまだ試合していただけマシで、その他の若手は世界王者並に試合をしない(苦笑)
若いスター候補生を取るのは当然投資も必要なわけで、リスクを負いたくないというのはわかりますが、温室栽培だと中々伸びない。スター候補生が伸びないとJリーグもボクシングも面白くならない。

逆にそこらへんで若い選手に適切な競争をさせたり、刺激を与えたりすればJリーグだけで十分面白くなる。少なくとも現時点でも韓国や東欧の代表クラスの選手がいるわけですからね。
そこらへんがうまくいくようになれば、イングランドとかスペインとかはともかくとして、「レベルアップするためにベルギーに行く」なんていう話はなくなるんじゃないかと…


さて、内田の話に戻ると、シャルケ04が獲得してくれました。去年は体調面もあったにしても進歩というより退化の兆しが見えていたので年齢はどうあれもっと早く移籍すべきだったとすら思いますが、とにかく環境が変わるというのはいいことです。
とはいえ、ぬるま湯に浸かっていた状況から、鬼軍曹として名高いマガトの指導を受けるというのはこれは大変なことで、よほど性根を据えてかかってもらわないとというのはありますね。仮に3年経って今のままの状態なら、日本に戻ってきても水野と同じでJ2になんてなことになるかもしれません。
個人的には最初に書いたように世界レベルのサイドバックになるには問題がありすぎるように思うわけですが、反面、マガトがきちんと指導すれば「実は内田の真価は別のところにあった」みたいなものも見出してくれるのではないかという期待もしております(OHだったはずの長谷部が万能守備職人になってしまったみたいに)。

前、中村俊輔について書いた時の問題点は結局改善されず、今年になってからは、4年前には辛めに書いて叩かれたりした側(笑)が「そこまで批判するのは不当だろ」と思うくらいに叩かれるようになっていて、結局ほとんど出番もないという残念な結果に終わってしまいました。

内田がどうなるのかは分かりませんが、期待の大きさに関しては若い頃の俊輔とほぼ同じくらいなものを持っておりますので、くれぐれも俊輔の道を歩むことにならないことを願うばかりです。


と同時に興梠の自覚を促すという意味では成功したものの、高校サッカー界期待の星と言われていた大迫勇也(個人的には長所と短所がはっきりしすぎていて使いこなしにくい選手に見えるが)が今後どのような歩みを見せるのかも気になるところです。
今のところは悪い方の予想に近いんですけれど…(汗)

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Comment

うっちー - 偽OTSUKA

2010.07.03 Sat 22:33 URL [ EDIT ]

早速アップしていただいたようで、ありがとうございます。

内田に関しては、明らかに肉体的・精神的に調子を落としている時に、Jリーグの過密日程の中、鹿島が無理矢理使い続けたことが、成長途上の身体に負担をかけたこともあると思います。
もともと攻撃面でいいポテンシャルを持っているのは同感です。
なので、環境が変わってブンデスリーガなら、そこそこ頑張ってくれるんじゃないかと思います(もちろん潰れる可能性も)。

ただ競争相手を獲るって話は、資金繰りで苦労している今のJクラブじゃいろいろ制約があるかと。
現実的には上位の人気クラブですら、あまり出来てないですよね(主要ポジションくらい?)。

そういったことも含めて、まずはこのサッカー熱をJリーグの集客につなげる方法があればいいんですけど・・・それが難しい。

>偽OTSUKA様 - 川の果て

2010.07.03 Sat 23:58 URL [ EDIT ]

確かに酷使もあるとは思いますね。これは鹿島と代表とどちらが悪いのか何とも言いにくいところはありますが。
それでも、判断の甘さはどうしても目立ってしまうのでそこの進歩がないのが厳しいかなと。

資金力は有限ですので常に同格に近い競争相手を獲るというのは難しいとは思うのですが、そこは工夫次第もあるんじないかなと思うんですよね。
内田に関していえばSBでなくても、CBに年下の選手が入る形でも意識が変わる部分があったんじゃないかとも思いますし。
そういう巧い競争の仕方とかで育てていくチームが出てきてほしいような気がします。

スペインのセビージャなんかは資金力はそれほどではないですけれど、強化担当者が変わって一気に強くなったのでガンバやFC東京、あとは現在のレッズでもそういうのはできるのではないかと期待したいところです。

ちなみにドイツではSHかCHに落ち着いてしまいそうな気がしています(笑)
SB少ないですけれど、1対1で勝てない選手をDFには置かないでしょうし。

無題 - エイジ

2010.07.04 Sun 12:40  [ EDIT ]

内田選手のこと、あんま知らないんだなー。てか、SBのこともわかってない!ってのが、よくわかる記事でした。

>エイジ様 - 川の果て

2010.07.04 Sun 13:03 URL [ EDIT ]

つまり、彼が出てきた時に「内田はスター候補生で彼がいれば日本の右サイドバックは5年は安泰だ」と考えたの自体が間違いで、彼はそもそもSBではなかったし、スター候補生でも何でもなかったということでしょうか。
そういう指摘であれば内田君のことを理解していなかったし、SBというポジションの理解もなかったということに全く返す言葉もなく、自らの不明を恥じるばかりです(笑)

まあ、あくまで私の考えですし、専門家でないので理解が深くないということは認めますけどね。

無題 - エイジ

2010.07.04 Sun 21:23  [ EDIT ]

う~ん、まあ、あくまでブログ主さんの考えっていうか想像ですし、専門家でも内田選手に近しい人でもないんだから仕方ないのかな?(もう少しニュートラルな目で見たら分かることも多いと思うけど。。。)ってことと、ブログ主さんと僕とじゃSBに求めるものが違いすぎる(だから駒野選手じゃなくて今野選手でもそんなに違った評価を受けたとは思わないんだ。。。)ってことが理解できました。

>エイジ様 - 川の果て

2010.07.04 Sun 21:41 URL [ EDIT ]

度々コメントいただきありがとうございます。

ニュートラルという点では、別に一方的に内田を批判したいとか今野と駒野を持ち上げたいとかそういうことはないですよ。彼の守備の判断のまずさは大分前から継続して書いてますし、速さやセンスの良さは良さとして評価してますので。

SBに求める資質が違いすぎると断じられてしまえば、私としてそれ以上何も言うことはできませんし、基本守備重視の傾向はあるので実際相当隔たりがあるのかと思いますが、どのあたりをどう評価するかというのを書いていただけると有難かったです。

駒野と今野への指摘については確かに二人のプレーを一緒くたにするかのような書き方はまずかったですね。ただ、タイトルと直接関係ないので駒野と今野だとどう違うかということについては省きました。

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