これまでの話 →
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さて、ベッカムの豪邸から財宝を持ち帰った一行。
「…俺はボコを探す旅に出る。さらばだ」
と港でデコと別れ、戻ってきました。
「これだけあれば当分は楽して暮らせるね」
「その前にアタイは奴隷身分を脱却したいね」
すっかり忘れられているかもしれませんが、王子様は突然奴隷身分に落とされていたのでした。
「そのために献金をして政治的立場をあげることにするよ」
「…何か嫌な言葉ね。それと王子さぁ。いい加減セーラー服着るのはやめてよ」
「何言ってんのさ。このエントリのタイトルを見てごらん」
「船乗りシンドバッド」
「シンドバッドってのは誰のことだい?」
「王子」
「船乗り(セーラー)がセーラー服を着て何が悪いのさ」
「くくく…こいつ…あたし並にへらず口を」
人魚姫の妹は拳をグーに握り締めたまま震えていました。
さて、奴隷身分から解放されるには特別製の皮の札。イガワが必要でした。
しかし、イガワの値段は予想外に高く、落札するのに苦労しました。
井川の入札、ヤンキースが約29億円で落札…米報道
王子様はイガワを獲得して奴隷身分は脱却できたものの、一文無しになってしまいました。
「バカ! アホ! マヌケ!」
人魚姫の妹が激しく抗議し、人魚姫は諦めたように溜息をつき、王子様は「また航海で稼ぐからいいじゃないのさ」と開き直っています。
「稼ぐにしても売り物がないじゃないの」
とかブツクサ歩いていると、近くの農地で農民が大量の野菜を廃棄していました。
「何してんですか?」
「あ~、沢山取れすぎちまってねぇ。価格維持のために仕方ないのさ」
ピーマン:廃棄始まる 価格暴落で出荷自主調整--東串良町 /鹿児島(毎日新聞)
「ふ~ん、何かもったいないね」
人魚姫の妹がつぶやくと、王子様がニヤリと笑いました。
「これはチャンス」
「何が?」
「廃棄される予定の野菜を、野菜のない国に運んだら感謝されるしアタイ達は儲かるじゃないのサ」
「そうですね。世の中には野菜がなくて困っている人達もいるわけですし」
ということで、一行は廃棄予定の野菜を大量に引き取り、冷凍保存をして運ぶことにしました。
「さあさあさあ、これでアタイ達は一儲けするよ!」
「…あのバカ王子、今まで一番影が薄かったくせに、性格が変わった途端仕切ってるし」
人魚姫が消えてしまいましたな(笑)
さて、航海に出た翌日。
「人魚姫、とその妹!」
倉庫の方から王子様の叫び声が聞こえてきました。二人が駆けつけると。
「変なウサギが野菜をかじっているよ! このままじゃ売り物にならないよ! ガッカリだよ!!」
「変なウサギですって?」
二人が倉庫にかけよると、確かに一羽のウサギがキャベツをコリコリかじっていました。
「…貴方は、サビオラタン?」
「うん? 人魚姫だぴょん。久しぶりだぴょん」
サビオラタンは人魚姫を見てぴょんぴょんと飛び跳ねました。
「ど、どうしてこのような船に?」
「よく聞いてくれたぴょん。ボクタン、ジャポンで行われる世界一のチームを決める天下一武道会の遠征メンバーに選ばれたんだぴょん」
サッカー=クラブW杯、バルセロナはサビオラが出場へ(ロイター)
「まあ。出番が増えてよかったですね」
「良くないぴょん。ボクタンはケガをしているから、みんなと一緒には行かせてもらえないんだぴょん」
「あらま…」
「しかも、ここにライカーの陰謀があるという噂も聞いたんだぴょん」
「陰謀ですか?」
「ボクタンのために用意されたチャーター機は実は
保健所への直行便でボクタンはそのまま保健所で処分されてしまうという恐ろしい噂だぴょん」
「そ、それは過酷ですね…」
「そんな恐ろしいチャーター便には乗れないぴょん。だから替わりの船を探していたらたまたまこの船が出るということで乗ることにしたんだぴょん。食べ物も沢山あって極楽だぴょん」
「だからそれはアタイらの売り物なんだよ。仕入れ値はタダだけど」
「航海中、用心棒をするから乗せてほしいぴょん」
「どうでもいいけど、いい加減キャベツかじるのやめてくれない? それ売り物なんだから」
「う~、もっと食べたいぴょん」
こうして、サビオラタンが加わった一行、果たして野菜売りの航海はどうなるのやら。
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無題 - がちゃ
デコOUT、サビオラINという、川の果て監督の采配はどう出るのでしょうか(笑)。
あ、セーラー服を着てるからって機関銃を持っちゃダメですよー。
(・∀・)