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2011年は勝てるのだろうか…?
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これまでの話 → ◆
泡を吹いて倒れているロナウド大五郎を見て、三人は大きな絶望を感じました。大五郎に無理なものを自分達が食べられるはずがありません。
『さあ、次は誰だ?』
巨人達が言っても、三人で途方に暮れて顔を見合わせるばかりです。
「…どうしましょう…あら?」
ふと沖を見た人魚姫が声をあげました。何と、小さなカヌーが浜辺へと向かってきていたのです。しかも、そのカヌーには見たことのある顔が乗っていました。
「む。おまえは人魚姫」
「貴方はシェフのチェンコ! どうしてこんなところに?」
人魚姫の質問に、シェフのチェンコはニヒルに笑います。
「究極の(ゴールの)料理人たるもの、常に食材を探さなければならないからな」
「…でも、わざわざ巨人達の住むところに来るなんて」
人魚姫の妹があきれ返りますが、シェフのチェンコは特に動ずるところもありません。4段重ねのバーガーに気付いても。
「…ふむ。中々ゴッツいハンバーガーではないか。しかし、究極の料理というのはまだまだ足りん」
『当たり前だ。しかし、おまえも飛んで火にいる夏の虫とはまさにこのことだが、このハンバーガーを食べればこの島で食材を探してもよいぞ』
「これを、か? いいだろう。食べてやろう」
シェフのチェンコ、自信満々の様子で4段重ねのハンバーガーを手にしました。一口、二口とかじりつき、そしておもむろに。
「ザ・アロー(ウクライナの矢)!!」
時間を止めました。止めた間に4段重ねのバーガーの3段をバッグの中に隠します。
「…時は動き出す」
シェフのチェンコは再びかじりつきました。時間が流れ出します。
「えっ?」「あっ!?」「嘘?」『何だと!?』
皆の目には、シェフのチェンコがたった一口で4段重ねのバーガーの3段を丸呑みしてしまったように見えました。究極の料理人だけあって、シェフのチェンコ、演技(シミュレーション)の技術も人並優れたものがありました。残る1段だけを食べるのなら、普通の人間でも何とかなります。
シェフのチェンコはバーガーを食べ終わりました。
「食ったぞ」
平然とした様子で言うと、巨人は恐ろしく顔をしかめました。
『…巨人軍は紳士たれという。嘘をついてはいかんというからな』
「だったら、船も直してくれるんだな?」
『…フン。言った以上は仕方ない』
巨人達は「この悔しさはFAと大型補強で晴らさなければ」とつぶやきながら、悔しそうな表情で船を修理しました。
そして、二度と来るなといわんばかりの不愉快そうな顔で島の奥へと去っていきました。
「あ、ありがとうございます」
人魚姫がお礼を言ってもシェフのチェンコはそ知らぬ顔です。
「…この島には面白い食材があると見た。あのまま奴等を帰してしまうと邪魔になりそうだ」
シェフのチェンコはそう言うと、大きなビンを取り出しました。ビンには『ハチミツ用のハチの巣』と書かれています。シェフのチェンコはビンの蓋を開けました。
「行け。お前たちの敵が沢山いるぞ」
ビンをゆすると、たちまち大きなスズメバチが島の奥へと飛んで行きました。
しばらくすると、うわーとかぎゃーとか悲鳴が聞こえてきました。さらにしばらくして、スズメバチがビンへと戻ってきます。このハチはシェフのチェンコの忠実な僕であり、かつ極小兵器なのでした。