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The Saga of Fenrir

2006.12.10 - 駄文
これまでの話 → 
フェンリルの話については → 

さて、船はしばらくして小さな島につきました。
「この島に財宝があるという噂がある。探しに行こう」
船長がそういうので、一同財宝を探すため近くの村に行きました。
「…財宝? そういえば、ルーミーが沢山集めているという話だよ?」
「ルーミー?」
「ああ、ウェイン・ルーミーといって日頃は野山で虎や熊を捕らえて生活しているが、一旦怒らせると付近の村々を襲うとんでもない奴なのだ」
「…ウェイン・ルーミー」
「……ツイテいるな。人魚姫」
「何がですか? ディエゴ・ミリート?」
「ルーミーはお前たちを毛嫌いしている赤い悪魔団の実力者だ。その赤い悪魔団の実力者を俺達の協力も得て倒すことができるのだから」
「はあ…」
一行はルーミーの財宝に照準を合わせ、首尾よく手に入れたら3分の1ずつに分けるということで合意しました。

ということで、6人はルーミーを探しに行きました。程なく、草原でルーミーを発見しました。
「アハハハハ。待て待て待て~」
ルーミーは小さなスズメを追いかけていました。
「あれがウェイン・ルーミーですか」
「何となくやんちゃなガキにしか見えないけれど」
と言っていると、ルーミーは石につまずいてボテッと転んでしまいました。ルーミーはしばらくうずくまっていますが…
「ビエエエエエエ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。!!! 痛いよー!!」
不意に耳をつんざくような大声で泣き出しました。そして一度口を開くやゴーと凄まじい音をたてて炎が放たれます。
「うわあああっ!」
全員慌てて逃げました。炎は遠くの森までゴーゴー燃やしています。
「口は後ろにない。後ろに回りこむぞ!」
ディエゴの言葉に王子様が反応し、二人で後ろに回りこみました。そして、ガチッとルーミーを捉えますが、
「ウワアアアアアン・°・(ノД`)・°・!!」
しかし、ルーミーは背中に手を回して二人を捕まえ、遠くにぶん投げてしまいました。二人はギューンと山の向こうにまで放り投げられてしまいます。
「バカ王子!」「兄さん!」
ズラタンとガブリエル、構えなおしました。
「…やりやがる。俺様の力をもってしても簡単に勝てそうにない」
「この手の話だとありがちだけど、当人の実力を無視して、ストーリーの後半に出るやつほど強くなるからね…」
「イタイヨー((((((ノ゚⊿゚)ノ!!!」
ルーミーは続いて地面を掴み、付近の地盤をめくり上げて放り投げました。
「このまま奴を暴れさせるのは災厄だ。おまえ、いい考えはないのか? 俺様にはあるぞ」
「…聞こうじゃないか」
ズラタンはガブリエルに耳打ちをしました。話を聞いているガブリエルの顔が険しくなります。
「…Σ(~∀~||;) そ、そんなこと、本当にできるのか?」
「お前は蟹だ。お前ならできる」
そう言うとズラタンは一本の紐を取り出しました。それは猫の足音、女の顎髭、山の根元、熊の神経、魚の吐息、鳥の唾液などで作られたグレイプニルという絶対に切れない紐でした(ちなみに材料として全部使われてしまったために、今日これらのものは存在しない)。
「…そんなものどこで手に入れた?」
「これは北欧神話のものだ。俺様は北欧の全てだから、北欧のものを手に入れるなどたやすい。俺様が望めばノーベル賞も白夜もすぐに手に入る。こらこら、ルーミールーミー。痛くなくなるようにしてやろう」
「…本当に? Σ(・ω・ノ)ノ!」
「ああ、本当だとも。このバンドエイドでお前の傷口を覆えば」
「…僕を騙しているんじゃないだろうな?」
「そんなことするはずがない。そんなに疑うなら俺様の親友の足を掴んでいればいい」
とズラタンはガブリエルの足をルーミーにつかませました。そしてルーミーをグレイプニルで近くの岩場に縛り付けてしまいました。
「……動けない? ウワアアアアアン・°・(ノД`)・°・!! 僕を騙したな~!!」
ルーミーは怒ってガブリエルの足を引っこ抜いてしまいました。
「痛い!」
と叫んだものの、ガブリエルは蟹なので足が一本なくなっても平気です。
「これでルーミーは動けまい。さて、お前の兄貴とお宝を探すとしよう」
「ついでにあの馬鹿王子もね」

こうして、一行はルーミーのお宝と二人を回収しました。そして、船長、一行、ミリート兄弟で三分割して分け合いました。
「さて、巧くいったし今夜は近くの酒場で宴会だ~」
「そんなことやったら、また貴方は仕事に遅れてチームから追放されてしまうのではないですか?」
人魚姫の指摘にズラタンはムッとしましたが、とにかくその夜は楽しく過ごしました。
で、翌日…
「あれ、船は?」
戻ってくると船がありませんでした。よしばらく探すと砂浜に船長が転がっています。
「くっ、くそう。あの蟹野郎共にやられた! 俺達の取り分と船を奪ってどこかに逃げやがった!」
「…なるほど、そういうことなのかい。やってくれるねー」
王子様がニヤリと笑いました。
「でも、蟹なのに何で海を移動するのに船が必要なのかしら…?」
宝を運ぶのに必要なんすよ(笑)
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