川の果ての更に果てに

住基ネットで違憲判決を出した大阪高裁の竹中省吾判事が自殺したという痛ましい話があったそうです。

大阪高裁判事が自殺、３日前に住基ネット強制違憲判決（読売新聞）

違憲判決直後というタイミングが非常に怪しいので、どこかしらの圧力とかも考えられないではないですが、そのあたりは何ともいえません。ま～、その場合はあやふやなままに片付けられたりするのでしょうけれど、個人的にはあまりそういうのはないんじゃないかなという気が。住基ネット自体には現時点で大きな権益があるという感じでもないですし、思想に関わるものでもないので誰かが敢えて圧力をかけなければならないものかというとそうではないような気もするのですね。既に金沢地裁で違憲判決も出たりしているわけですし。
ま、どんな事件についても違憲判決を出すなという圧力が常にかかっている…と考えることはできますけれどね。
圧力とかではなかったとしても、違憲判決とか書くと基本的にその場で裁判官としての出世は閉ざされたと考えていいなんて話もありますから、最高裁への昇進がまずありえなくなったことなども影響したのかもしれませんね。

とりあえず当初８月が判決期日だったのに、延長して11月30日になったあたり、色々精神的に苦しい状況だったことは確かなのではと思います。裁判官も何だかんだ言って一人で100件近い案件を抱えていたりするなんて話がありますし、精神の均衡を保つのが大変でしょうからね。
で、まあ、仕事が沢山あるわけで、しかもその一つ一つについて判決を出して『いい判決だ』と褒めてもらえることもなくて、ほとんどが「不当だ」とか非難されるわけですからね～。弁護士と違って公務員ですから仕事を沢山したからといって報酬が沢山もらえるわけでもないですし。結構やってられない仕事なのかもしれません（だからこそ、出世のみに全てを考えがちになりがちなのかも）。

何も死ぬという選択を選ぶ必要もなかったのではと思いますが、何とも残念な話であります。
合掌…