川の果ての更に果てに

振り込め詐欺系には強いものの、犯罪発生率自体は全国でもかなり高い大阪。
そんな大阪では自宅で粗暴犯などの被害が発生した場合に公営住宅への入居を認めるような支援策を打ちたて、来年の四月から実施するのだそうです。

＜被害者支援＞大阪府が住宅一時提供へ　自宅での犯行に対応（毎日新聞）

一時提供の期間とか運用のされ方がどうなるかなど不透明な部分もありますけれど、制度自体はは大阪にしては珍しく(というと失礼か)いいものだと思います。殺人や強姦などの被害を受けた場合に犯罪給付金だけで転居がままならない場合もありますし、途方に暮れる場合が多々あるらしいですからね。
また、同じような境遇の人達が集まることで周囲の偏見（強姦とか情痴殺人の場合などには現在でもありうる）から解放されるわけですから犯罪被害者にありがちな孤立感（特に未解決などの場合に多い）を深めて社会との間に壁を作るということも少なくなりそうですし、更にぶっちゃけた話をすればカウンセラーなどの被害者支援の専門家にとってもまとまってくれた方がまとめて訪問できるという実利もあるでしょうしね。

大阪府だけでなく、他の都道府県も続いてもらいたい制度です。

ところで今日は東京・大阪・広島で死刑の執行もあったそうで。
新聞記事には４人の名前も出ていますが、法務省は事実と人数しか発表していないのにどうして執行されたのが誰それであるか分かるのが結構疑問なのですけれど（専門サイトに行けば、きちんとした資料や統計の下推測している人とかは結構いらっしゃいますけれどね）。
ま、それ自体は特にどうということもないのですが、一時期は「70名くらいを超えれば適当に減らす（執行する）」としていた確定死刑囚の数は来年にも100を超える勢いなのだそう。

殺人事件の数自体は減っているわけで、世の中の雰囲気がかなり厳刑傾向に向かっているということはありそうですね。今まで個々の事件についてあまりに寛容であったということになるのか、あるいは現在必要以上に騒ぎすぎているのか…は私には判断のつきかねることではありますが。
少なくとも「応報論」とか「人権」だけで片付けられるほど世の中は簡単なものではないようですので。

いずれにせよ、刑罰をめぐってやんややんやと無意味に騒ぐより、大阪府のような施策を出すことの方が有意義であることだけは間違いないでしょう。