川の果ての更に果てに

前橋市内で２００３年、暴力団組員による銃乱射事件で犠牲となった男性の遺族が起こした訴訟の控訴審判決が１６日、東京高裁で言い渡される。
１審判決は実行犯らに賠償を命じたが、死亡した男性への慰謝料は、交通事故で死亡した人とほぼ同額しか認めなかった。控訴審で、原告弁護団は「銃で無差別に殺された代償が、過失による交通事故と同じでいいのか」と訴えてきた。理不尽な無差別殺人の犠牲者の「命の代償」をどう考えるのか――。控訴審の判断が注目される。
事件が起きたのは、０３年１月２５日夜。指定暴力団住吉会系暴力団の組員らが、抗争相手の殺害のためスナックに押し入って拳銃を乱射、調理師の男性（当時５０歳）を含む４人を殺害した。遺族は０６年１１月、住吉会トップを含む５人を相手取り、１億２０００万円の慰謝料を含む計１億９７６０万円の損害賠償を求め、前橋地裁に提訴。同地裁は今年４月、事件の首謀者とされる組長と実行犯に約８２００万円の賠償を命じた。