川の果ての更に果てに

長野のクリニック医師が代理出産を強行したことについて、政府の中で「代理出産を認める世論もあるし…」と禁止規定を見直すような動きが出てきたんだそうです。

倫理的とかそういうのもあるのかもしれませんが、現実的には認めていいような気もしますけれどね。

代理出産を認めない原因については（１）生まれてくる子供の福祉、（２）出産する女性の精神的・肉体的負担、（３）家族関係の複雑化などになっているよう。
ただ（１）については子供の立場から見ると親が他人にすがってまで望まれる立場なわけで、普通に産まれる子供よりむしろ大切に育てられる可能性は高いともいえそうな気もします。世間の注目も集める分、おいそれと虐待などもできないでしょうし。それはまあ、陰口の対象になるかもとかそういうことまで言い出すとキリはないですが、子供目線で見ればそんな不幸でもないのでは。
（２）出産する女性の精神的・肉体的負担はこれは確かにあるわけですし、又、それを理由に出産ビジネスとかの温床にもなるのかもしれませんが、どの道認めていなくてもこういうところがでてくるわけですし、むしろ法令ですっきりさせて、しっかりとした承諾とか診断とかをすればそんなに問題はないような気もします。
（３）家族関係の複雑化については、これは法律改正などですっきりさせればいいわけで、政治家が自分達の怠慢を理由にするなよということになりそうです。

あとは、そもそも現在少子化高齢化が進んでいるわけで、その対策ということで子供が欲しい日本政府としてみても、出産の選択肢を増やすのは少子化対策に資するわけでいいんじゃないかと思いますけれどね。

ま、親子関係については向井亜紀さんの出生届をめぐる高裁判例をとるか、法務省の見解をとるかについては意見の一致を見ないところではあるでしょうけれど、それがすなわち代理出産自体を禁止しなければならないものだとも思わないですし。

個人の嗜好は色々あるでしょうけれど、政策的・社会的に見る分には代理出産を認めても特に問題があるような気はしないですね。