負債総額5300億円=金融危機の影響懸念-イングランド・サッカー(時事通信)
今後資産価値の目減りが続けば一挙に…という恐れもあるわけですがそうなった場合にはどうなるのか。体験者に聞いてみれば分かることがあるかもしれません。
やぁ、僕はリーズ・ユナイテッドだよ。
えっ、知らない?
酷いなぁ。僕はプレミアリーグに変わる前、のフットボールリーグという名称だった頃の最後のチャンピオンなんだよ。あのエリック・カントナがいたんだ。といってもプレミアと縁遠いということはなくて、21世紀にもチャンピオンズ・リーグでベスト4にまで進んだことだってある。ヴァレンシアにコテンパンにやられたけどね。
ただまあ、それで無理して選手補強をしすぎたせいで財政破綻を起こしてしまってね。補強がにっちもさっちもいかなくなったし、給与も遅配で選手の士気も下がるということで降格して、そこでも財政問題が発覚して世間的には3部にあたるイングランドの1部にまで転落しちゃったんだ。
まぁ、今では1部の空気が心地いいけどね。ここでなら強豪扱いだし割かし楽に勝てるし。
それにしても、僕が不在にしている間も金が飛び交ってるなーと思ったら、金融危機で大変らしいじゃないか。僕の大嫌いなマンチェスター・ユナイテッドは1000億円とかいう借金があるんだって? 金持ちクラブだけあってスケールが違うね。
どうせ馬鹿になるなら大馬鹿になった方がいいっていう格言を思い出したよ。
ここまで負債がデカくなると、チャンピオンズリーグの出場権とかで得られる賞金ですら利子返済程度にしかならないんだろうなぁ。僕らも当時必死になってチャンピオンズリーグを目指していたけど、ユナイテッドにとっては借金の利息程度のものにしか過ぎないもののために必死になっていたと考えると当時の自分達が馬鹿みたいに思えてくるよ。さすがだね。
まあ、でも、無理をしすぎるのは良くないよ。いっそシティの言い値でロナウドを売って元本減らしておいた方がいいんじゃないかい?
しかし大胆なものだ。
それはまあレアル・マドリーとかバルセロナなら政府なりが何とかするんだろうけど、ここはイングランドだからね。伝統がある割に入れ替わりは激しいってこと忘れてない?
ノッティンガムなんてチャンピオンズカップを2回制してるのに、時流に乗り損ねて今は僕らと一緒に1部でまったりやっているわけだからね。君らだって昔2部に落ちたこともあるだろうに後先考えず乱費に走りまくるのはいかがなものなんだろう。破滅への恐怖を忘れるために享楽を貪るとかそういう感じなんだろうか。
えっ、仮に破綻したとしても、最悪僕みたいなのになるだけだから、そんなに怖くはないって?
それを言われると辛いなぁ。
まあ、でも、確かにそんなに悲惨なものではないのかもしれないね。
僕なんかはいまだに借金は多くてヒーヒー言ってるし、最悪除名されるかもっていうハラハラ感もある。もちろんそれはそれで話題にはなるけどね。除名はさすがにないと思うけど、なればなったで僕らは二度もつぶれたクラブという称号を得られるからね(リーズ・ユナイテッドの前身リーズ・シティは違法な給与支払をしていたことでつぶされ、ユナイテッドが設立されたらしい)。不名誉でもこういう珍しい称号を得るのは悪くない話だ。
あとはいつ減点されるかっていうハラハラ感もたまらない。
このあたりのスリルは一度取り付かれたら病み付きになるかもね。7-1の試合より10倍ゾクゾクしてくる。
僕も早く一番上まで戻りたいんだけど、ひょっとするとチャンピオンシップあたりで君達と再会するなんてこともあるのかもしれないね。投資グループが気が長く投資しているのなら、その頃にはチャールトンとシティが覇権を競うなんてこともあるのかもしれない。
まあ、気にすることはないよ。イングランドには130年を超える伝統があるんだ。
10年くらい1部でまったりやっていても罰は当たらないし、つぶれてそこから再生するというのも滅多に経験できるものじゃないと思うからね。 |
前田利家も苦境の時こそ真の友達が分かると言っていたそうで、チームがダメならダメでいいこともある、のかもしれません(笑)PR