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オシムと岡田

2009.02.05 - サッカー
岡田武史現代表監督とその代表チームが常に背負っているのが前任者イビチャ・オシムの存在。
ほぼすべての試合の度に「オシムだったらこんな試合にはならなかった」なんて書かれている方もいるわけで、そこまでしつこいのも何だかねぇと思うわけですが、実際のところどうなんでしょう。

まずオシムと岡ちゃんを比較すると、監督としての実績・能力は遥かに前者が上だろうということはこれは誰の目にも明らかです。まあ、日本だけの実績だとJリーグを2度制覇している後者が上といえなくもありませんけれど、さすがにそんな突っ込みをする人はいないでしょう。

ただしまあ、監督が成功できるかどうかは本人の力量もさることながら環境などの要因も大きいわけですね。例えば、2004年のギリシアなんかは別に強いチームでもなく、監督のレーハーゲルも時代に取り残されたタイプの監督という評判でしたが、予想外の好転反応を起こして大きな大会で優勝して、その後はさすがにそこまで目覚しい成功はないものの、90年代から00年代初頭に比べると確実に強いチームになっております。

なので、結局のところその監督がそこで成功しているかどうかというのはそれまでの実績だけで判断できるものでもなく、その率いているチームの結果と内容で考えるしかないわけです。

そのあたりで考えるとどうなのかというと…

まず結果に関してはさほど変わりありません。端的に言えばジーコでもアジアカップを優勝できたのに、オシムは4位だったということが全てのような気がします。1次予選でイエメンに苦労していたし、カタールにコロッと負けたりしし苦戦していたので、バーレーンに苦戦している現代表をそれほど笑えません。
内容はどうなんですかね。詳しい人は「オシム時代は確かに変わっていた。岡田になって元に戻った。素人には分からないだろうが」みたいなことを書いていて、まあ私は素人なんで分からないということになるのかもしれませんけれど、オシムが指揮していたときの代表ってベストゲームとかあったのかなとそういう指摘はしたいですね。
要はこの試合ではオシムの目指す方向性がきちんと示されていて、内容が非常に良かったそういう試合はあったのかなと。これがイマイチ思い浮かばないのですよ。最後のエジプト戦とかアジアカップのオーストラリア戦とかがそうなのかもしれませんけれど、エジプト戦に関しては相手が昨日のフィンランドと同レベルの意欲だったわけですし、オーストラリア戦はPK戦勝利で厳密にはドローですからね。岡ちゃんになってからのベストゲームはカタール戦の0-3でそれもジーコ時代やトルシエ時代のベストゲームに比べると随分スケールが低いなぁとは思うわけですが、同様のことはオシムにも言えるんじゃないかという気はします。

で、これまた私が素人だからかもしれませんが、結局どういうチームに仕上たかったのかというのが分からなかったという部分も否めません。この点に関してはむしろ岡ちゃんの方が段々やり方とアプローチを固定しているわけで、それが通用するかどうかは別にしまして「日本はこう戦うんだ」ってのが見えてきているような気がします。そしてそういう方法論を示してくれれば、それについて「いや、これはダメだ」とか「このあたりは修正すべきだ」とか、「せめて香川は何とかしてくれ」とかそういうことが言えるわけで発展性を持ってくるわけですからね。
オシムの場合は監督本人が評論家になっていて、あれこれ指摘(しかもそれ自体は的確だが)するは結構なのですが、じゃあそこをどう直しているのか、となった時にイマイチそのあたり不明確だったわけで最終的にどんなチームにするつもりだったのか、正直予想がつきません。
だから解任しろなんて言うつもりはありませんでしたが、少なくとも盲目的に信用していいというほどのものをオシムが提示してくれたとも思えません。

だからオシムなら今みたいな風になっていないはずだというのなら、じゃあどうなっていたのかとそのあたりを示してほしいのですが、そこまで考えている人も特別いないようです。まあ、おそらくは「オシムなら何とかしたはずだ」っていうことになるんでしょうけれど、それはそれでカリスマデイトレーダーの言うままに投資している投資家みたいに見えてきて個人的にはすごい嫌なんですけれどね。

その状態でしたから、結局病気になってそれで退任という扱いになったのは継続させるリスク(再発して病死なんてなったらイメージ的なダメージがあるし、そこまでいかなくても常に後任候補を確保しておかなければならないなんてのは大変だろう)を考えると至極当然だろうとも思うわけです。

ただ、ここまで結果と内容の比較長々書きましたけど、監督本人の部分については別に大きな問題ではないとも私は思うんですね。
オシムの時とその前後を比較して一番まずいなぁと私が思うのは、「周囲の思考能力」の方で。

これはまあ、オシムの実績とかにもよるのですけれど、オシムの言い分はほぼ無条件に信用して、反するのは無条件に拒否、というそういう風潮があったのが今思い起こすと怖いなぁと思えてくるわけです。

例えばジーコが三都主をLBで起用した時には「ジーコはマヌケだ」と多くの人が批判していたわけで、ジーコはそれに対して「三都主は攻撃力があるから」と反論して、その反論も罵倒されていたわけですが、例えばクロアチア戦の後半なんかは実際に三都主が積極的にあがって、いいシーンも演出したわけでジーコが完全に間違っていたとも言えないわけですね。
一方オシムは試合開始からということは少ないものの、今野をLBに回したり鈴木啓太をCBに起用したりしていたわけでその理由はというと「ポリバレントだ」とかそういうことになっていたわけです。で、何だかそれがスタンダードみたいな感じに取り入れられて特に問題にもされていなかったわけで、間違っても「オシムはマヌケだ」なんて声は出なかったわけですが、よくよく考えると理由が何だかよく分からんうえに(複数のポジションができる選手も必要だと思うなら福西を呼び続ければよかったわけで、ジェフ時代に中西を冷遇したのが解せなくなる)、アジアカップで負けた試合ではLBの今野が良くなかったという話だそう。

もちろん今野もLBで使い続けていれば良くなったのかもしれませんから、ジーコがどうこう、オシムがどうこう、という結論に結びつけるつもりもないのですが、ジーコの言い分は全否定で、オシムの言い分は全肯定というのは、これは明らかにおかしいんじゃないかと。
同様のことはイエメン戦(オマーンだったかも)で闘莉王にパワープレーをさせて奏功しなかった時にオシムは「選手の理解力がない」と選手を批判して、「その通りだ」みたいになっていたわけですが、ウズベキスタン戦で岡ちゃんが同じことをした時には「岡田は何て策の無い奴だ」となったわけですし。

オシムは「考えるサッカー」を提唱していたわけですが、玄人と自称する人が無条件に「オシムは正しい」でその正否を考えなくなって思考停止を起こしているのは何だか笑えないブラックユーモアだなとそう思います。
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Comment

無題 - 地理屋

2009.02.05 Thu 21:33  [ EDIT ]

こんばんは。
川の果てさんにしては、めずらしく熱い感じですね。
オシムは確かに、世界でのそれなりの名声にキャラも相まって、考えが深そうに見えますもんね、ジーコなどと比べると(笑)。
という私もオシムは好きですが、人柄が好きだからついていきたい、みたいなのはありますね。確かに岡ちゃんの不当な批判や、オシムの過度な盲信はかなり蔓延しているとは思います。

ちなみにオシムジャパンのベストゲームですが、個人的に一番興奮したのがスイス戦ですかね。
この試合の戦術が云々は、私には語れませんけれど。

>地理屋様 - 川の果て

2009.02.05 Thu 23:15 URL [ EDIT ]

熱く…というわけでもないですが、結構前から疑問には思っていた部分がありましたので。

それはまあジーコに比べると頭も良くて考えも深そうに見えますよね(笑) オシムのあのシニカルな言動は私も好きではあるのですが、監督が評論家になっていて周囲も「なるほど~」となっていた状態は正直健全ではないんじゃないかなとは思っておりました。

確かにスイス戦は面白い試合でしたね。
戦術云々という部分は私も忘れてしまいましたが(笑)

無題 - ユウ

2009.02.06 Fri 03:36  [ EDIT ]

初めまして。
えっと、少し気になったことがあるので書かせていただきました。
ここ最近のサッカー雑誌(サッカー批評だったと思います)でオシムが目指していたサッカーの詳細が事細かに書かれているものがありましたよ。私はその雑誌に目を通して「ああ、そうだったのか」と納得することもできました。
批判とは違うと思うのですが、こういうことを書くのであればもう少し調べてからのほうがいいのではないでしょうか?
カタールにも負けてはいないので、サウジアラビアと勘違いなさっているのかな、というのもありました。
ぶしつけになってしまっていますが、申し訳ありません。

>ユウ様 - 川の果て

2009.02.06 Fri 10:50 URL [ EDIT ]

コメント及びご指摘ありがとうございます。

そういう特集がありましたか。それは確かに私の勉強不足でありました。ただ、やろうとしていただけではなくて、試合を通じてどれだけ実現できていたのかも必要なのかなという気もするわけで、試合を通じて「なるほど。今はこういうことをやろうとしているのか」というのがもう一つ伝わらなかったのは事実です。

カタール戦はサウジアラビアと勘違いしていたわけではないのですが、ドローでした。クィンターナのFKと試合後のオシムの激怒っぷりが伝わっていたので負けたと勘違いしてました。すみません。

もっとも、個人的に「オシムでもダメなのかなぁ」と思ったのはドローだったキリン杯のコロンビア戦でしたけれども。

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