川の果ての更に果てに

正月の風物詩、箱根駅伝の前半戦。

東海、順天堂あたりが有利を伝えられる中、まず飛び出したのは東海大の佐藤悠基。ポーンと飛び出すやみるみる差をつけてしまい、食い下がった東洋大の大西もすぐにふりほどいて独走態勢。自身の驚異的な走りと後ろの集団が自重している展開が重なって、１区だけで４分差をつけてしまい、この時点で東海大優勝かと思わせるほどでした。

佐藤を受けた東海二枚看板のもう一方の伊達もそこそこ快調に。ただ、花の２区前半は山梨学院のモグスが圧倒的な走りでみるみる抜いていきます。あまりに早すぎて「最後までもつのか？」と疑問になったほど。その後ろで伸びてきたのが早稲田の竹澤で東洋大の黒崎をとらえ３位までステップアップ。
伊達が襷を渡した頃からモグスがパタッと止まってしまい、竹澤、黒崎が回収。最後は竹澤にピッタリくっついていた黒崎がスパートをかけて竹澤を振り切ったものの、区間賞自体は竹澤の手に。早大ＯＢの瀬古さんが竹澤を気にしていて併走しているバイクの担当者に「君と替わりたいよ」なんて言っておりました。モグスは完全に失速して最後は６位。三代直樹の記録は未だ破られず。
去年優勝の立役者となった亜細亜の山下は今ひとつ伸びずに亜細亜はかなり後ろでのレースが続きます。

３区の東海藤原は悪くないけれどあまり伸びることもなく。２位を争う早大の藤森と東洋の山本が少しずつ盛り返してくる一方、モグスの二の轍を踏むまいと慎重にラップを刻む日大のダニエル、三度目の箱根でようやく真価を見せ付ける中央大の上野が速いペースで走っていました。上野は最後はバテバテになったようですがそれでも区間賞。ダニエルも区間２位といいタイム。
１位東海と２位早大の差は２分ちょっととなり、あるいは…

しかし、東海大４区の小泉はしっかりと繋ぎました。東洋との差を微妙に広げ、早稲田との差はかなり広げる。区間的にも上位のタイム（区間賞は順天堂の佐藤秀和）でゴール。
復路はともかく、往路はいけそうな雰囲気でしたが…

ラストの山登り５区は順天堂のスペシャリスト今井正人の区間賞が濃厚と見込まれる区間です。
その今井は４分の差をつけられていましたが、速いペースで追い上げ、特に登りに入ってからは別次元といっていい走りで次々と前のランナーを文字通り斬って捨てていく走り（日体大の北村は少し抵抗していましたが結局ついていけず）。東海大の石田が少し苦しんでいる間にあっという間に距離を詰めたかと思うと、16ｋｍで追いついてしまい、やはりまた斬って捨てていく…
下りに入っても全く快調。結局自身が去年打ち立てた区間記録を30秒弱塗り替える走りで大逆転でＶ。凄いとしかいいようがないですね。
２位は東海大。復路がちょっと弱いと見られているだけにどうなるでしょうか。
３位は日体大。４位は早稲田。早稲田は予選会で圧倒的な強さを見せていましたが、その力は嘘ではなかったということですね。波乱を起こすとすればこの二校ですかね。
以下、日大、中央学院、去年連覇を逃した駒大が７位。専修、山梨学院、東洋（アンカーが失速した模様）までが一応シード。亜細亜、中央あたりはまさかの低迷でシード権を目指す戦いになるのでしょうね。

帰りは順天堂が有利なようですが、どこでブレーキが起きうるか分かりませんし、各チームとも着々と襷を繋いでいってほしいものです。

ちなみに予選会で関東インカレに救われる形となった国士館は19位。今年から公式記録として残ることになった関東学連選抜は最下位でした。