川の果ての更に果てに

昨日、アジア最優秀選手がアラブ圏のサッカー雑誌主導の下に発表されましたが、そこではアジア、アラブ、アフリカの最優秀選手が選ばれていた、という興味深い話がありました。で、まあ、わざわざアラブ最優秀選手を作ったということはサッカーだけの自己主張というものでもなくてアラブの人達の素朴な心情なんじゃないかなという気がします。
つまり、世間的には自分達はアジアやアフリカに入れられているものの、実際のところは「冗談じゃないよ。自分達はアラブだ」という感じで。

正確なところは分かりませんが、例えばパキスタンからイランあたりから、おそらく北アフリカのイスラム諸国あたりはアラブの人達からすれば「アジア」や「アフリカ」ではなく、「アラブ」であるという認識なのでしょう。
そのあたりの自己主張をどこまで認めるべきかというのは何とも言えませんけれど、そもそもヨーロッパとアジアも地続きでどこからどういう根拠で分割されているのかも非常に微妙です。歴史的にもモンゴルとかトルコあたりがそのまま地続きに攻め込んだりして国を作ったりしていたわけですしね～。アジアとアフリカはスエズ運河あたりで区切ることができるかもしれませんけれど、ヨーロッパとアジアに関してはあくまで誰かがそう決めたからそうなっているだけで特別説得力はないんじゃないかという気もします。
それこそ西欧と東欧という違いがあるのならば、アジアとアラブという区別もありなのかもしれません。

アジアの定義というと東京都知事の石原さんが「韓国と北朝鮮と中国だけがアジアみたいに認識してる連中がいる」みたいな批判をしていて、実際それはその通りとも思うわけですが、中東の人達にしてみたら「うーん、俺達アラブだし」みたいな返事になるのかもしれず、結局のところ共通してアジアだという認識を抱いているのは前記３つ＋日本以外だと、あとはモンゴル＋東南アジアくらいかも。石原さんあたりが東南アジアを仲間だと考えているのかは聞いたことないので知りませんし、言動を見ていると何か違うような気もするんですけどね。
そもそも、「アジアの経済発展を考えれば北京の次の次が東京でも何の問題もない」とか言う東京五輪招致のコメントからすると、「いや、インドとか中東とか先にさせるべきじゃん」って突っ込みも入れたくなりますしね（笑）