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民事と刑事

2009.01.16 - 日々のニュース

刑事事件としては犯罪として立件されず、民事で犯罪事件として取り扱われたというとＯ・Ｊ・シンプソン事件なんかがありますけれど、民事で犯罪とされ、刑事事件にならなかったなんて話が愛媛県の方であったそう。

「他殺と推認できる」＝警察は自殺と判断－松山地裁支部（時事通信）

2006年に遺体で見つかり、愛媛県警が自殺と判断した同県愛南町の漁業の男性＝当時（64）＝の妻が「自殺ではない」と、えひめ南農協（同県宇和島市）を相手取り、生命保険金特約分の支払いを求めた訴訟で、松山地裁宇和島支部（小崎賢司裁判官）が「他殺と推認できる」として、2500万円の支払いを命じていたことが16日、分かった。
県警捜査1課は「必要な捜査を尽くした上で事件性はないと判断した。再捜査するつもりはない」としている。
判決によると、男性は06年10月21日、自分の船でいけすに行ったまま行方不明となり、11月2日に海上で、約10キロのいかりが足に巻きついた状態の遺体で見つかった。

他殺だと推認されるということで他殺事件ということになると必要な捜査がされなかったということで非常に問題ではあるわけですが、一方で微妙なのは「他殺と推認される」から100%自殺じゃないのかというとそうとも言えない気もするところですかね。
自殺したんだけど、生命保険がきちんと下りるよう事故を装ったとかそういう話はあるわけですし、保険とは異なるもののキリスト教国では自殺がタブーなわけですからやっぱり自殺と装われないためにあれこれ工夫しているなんて話も聞いたことがあります。

以前、「そもそも自殺だから生命保険を支払わないのはおかしいんじゃないか。死因が何であろうと生命保険を支払うべきだ」ってニュアンスの話を読んだことがありますけれど、こういう話を聞くと私も生命保険が命を対象にしたものである以上はそうすべきなんじゃないかって気もしてきます。

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Comment

殺人でも下りない - 時評親爺

2009.01.16 Fri 17:00 URL [ EDIT ]

お夕方にございます。

んとですね、保険の種類に依って異なるのでありましょうが？、最近の判例では他殺（被保険者の故意の殺害）でも保険金の免責事項になるならないの民事訴訟がありましたね。

当該事案は、法人が代表者（夫Ａ）に当該法人を受取人として保険金を掛けていたのでありますが、その妻Ｂ（当該社の取締役ながら経営を支配するに至らない事実上のお手伝い？的存在）と争いとなって、妻Ｂが夫Ａを殺害し自殺したのであります。

経営を引き継いだ子息が、当該保険の支払を求めたところ、保険会社は、約款（免責事項：おそらく妻Ｂを法人と同視しての故意に依る殺害）を理由に支払を拒否したため、訴訟となりました（コマイ部分は不正確汗）。

結局最高裁では、妻Ｂは当該法人を事実上支配していなかったのであるから、”保険金の受領＝受取人たる法人の利得”とは言えない等と判示して、保険金請求を認めたという事例であります。

と書いていたら、判例みっけました（汗）

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=25216&hanreiKbn=01

＞時評親爺様 - 川の果て

2009.01.16 Fri 19:45 URL [ EDIT ]

ふむふむ…
何やらややこしい事例ですが、一応保険金目当ての殺害と同視しうるかどうかなんてのが争点になったわけですね。

しかし、保険会社も一々あれこれ文句をつけて払わないというのでは何のために存在しているのかという気もしないではないです。まあ、昨今の不況で保険業界は大打撃を被っていそうなんで、ますます払い渋ることとかありそうですけれど…

民事と刑事 - nobuta

2009.01.17 Sat 01:29 [ EDIT ]

刑事事件で自殺他殺を変死体を判断する場合、基本的には死体（今回の場合は溺死）を発見したその日、もしくは翌日というのが期限でしょう。
刑事事件の場合、溺死は状況証拠だけでは立件できないわけですから、殺人であるという証拠が必要なわけです。
今の法制度は疑わしきは罰せずですから、疑わしい場合でもやるべきことをなして嫌疑が不十分であったり、解剖で溺死であれば自殺と判断でするでしょうね。

しかし、民事は観点が違いますから、疑わしいのであれば殺人と判断しても問題ないわけですから、判断する司法官憲は楽でしょうね（苦笑）

＞nobuta様 - 川の果て

2009.01.17 Sat 14:47 URL [ EDIT ]

つまるところ、
刑事は殺人であることを証明しなければならなくて、
民事なら自殺でないことを立証するわけですから、
立証の対象が違ってくるってことなんでしょうね。

溺死の場合は判断が難しいって話もありますけれど、捜査する側も大変でしょうね。

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