川の果ての更に果てに

[PR]

2025.01.16 -

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

▲ENTRY-TOP

少し前にFIFA会長のゼップ・ブラッターが「ブラジル人の帰化が多過ぎるのはよくない」とかコメントした話がありました。
ブラッターは最近プラティニと組んで外国人選手に対するネガティヴキャンペーンみたいなのを張っており、その主な主張はいわゆる「６＋５」であるわけですが、帰化選手に対しての話はそのついでに出たものくらいという認識で特別深く捉えてもいませんでした。
ただ、この発言について考案されている方がいて、それが中々興味深かったので私も考えてみることにします。

サッカーに”純血主義”は必要か？（What's On...）

帰化の現代的部分や問題点については大体押さえられていると思いますので、それ以外の部分から。

歴史的に見ると帰化戦法自体は特別新しいやり方ではありません。
古くは第二回のイタリア・ワールドカップ（1934年）で優勝したイタリアが７人（だったと記憶しているものの、正確な数字じゃないかも）のアルゼンチン代表経験者を自国代表に引き入れておりました。主力の一人であったルイス・モンティに至っては第一回大会の決勝にはアルゼンチン代表として出ています。
ブラッターは「将来的にはブラジル代表とブラジル人ばかりのチームが決勝を戦うのではないか」とか言ったとかありましたけれど、将来を空想することもなく過去にはブラジルではないもののアルゼンチン代表もどきのチームがワールドカップ決勝を戦い勝ったこともあるわけで、1934年のイタリア代表に触れても良かったのではないでしょうか（笑）

イタリアについては他国で代表暦がある選手は別の国で代表になってはいけないという規制がかかるまでこの路線を続けており、エンリケ・オマール・シボリ、ファン・アルベルト・スキアフィーノ（1950年の優勝国ウルグアイのエース）といった海外の有力選手がイタリア市民権を得てイタリア代表としてプレーしています。
無論そんな短絡的なものではありませんが、「古くイタリアは帰化戦略によってチーム力を保っていた」と言うこともできないわけではありません。

イタリアほど極端ではありませんが、スペインもアルフレッド・ディ・ステファノやらフェレンツ・プスカシュやらをスペイン代表に入れていた時期もありました。
で、ディ・ステファノとかあとはラディスラオ・クバラ（チェコスロバキア、ハンガリー、スペインの三国の代表暦をもつ50年代のバルセロナのスター選手）はそれぞれマドリーとバルセロナで郷土の英雄として認識されていますから、帰化戦略がその地域のサッカーの発展を阻害しているという考え方はどうも適切でないような気がします。

つまるところ、昔から帰化選手ばかりの代表チームは実際に存在していた。が、それがすべて悪影響を及ぼしていることはないし、かえって好影響をもたらしたケースもある、ということになるわけで。

ま、ブラッターがイタリアやスペインが強いのが気に入らないというのなら話は変わりますけれど（笑）

そのあたりを見ていると、カタールとかポーランドが６ヶ月しか自国にいなかったオリザデベを緊急補強で帰化させて代表に入れたみたいなケースについては確かに文句を言いたくもなるでしょうけれど、常識的な期間（日本なら国籍法に定められている５年）滞在していて帰化した選手についてまでとやかく言う権利はないのでは、という気になるわけで。

ただ、78年のアルゼンチン大会ではアルゼンチンがラモン・キローガ（アルゼンチン人ながらペルーに帰化して78年当時はペルー代表ＧＫとなっていた）を抱きこんで４点が必要な試合で６点取って結果決勝まで進んで優勝したという話もあります。
これは極端な話にしても、母国の利害が絡んだ場合に帰化選手に影響が及ぶのではないか、という側面は全く無いともいえないかもしれません。ただま、そのあたりは個々のフェアプレー精神による部分もあるわけで国籍の有無のみで全て決まるものでもありませんし、心情の変化でパフォーマンスが多少変わるくらいは仕方ないような気もします。

ところでブラッターが近年外国人問題についてブーブー言うようになったのは、FIFAのライバルたるビッグクラブに対する牽制みたいなものもあるのかもしれませんが、ひょっとしたらスイス代表が移民などを積極的に代表に迎えていることに対する不満もあるのかもという気もします。
他所の政治権力が代表チームなどに圧力をかけると出場停止などの制裁をちらつかせている以上、当然FIFAの会長が政治力をもってスイスサッカー協会単独に圧力をかけることはできません。そのうえでブラッターが「スイス代表はスイス人がプレーすべきだ」と考えているなら、スイスだけではなく普遍的に批判するみたいなやり口でこういう発言になっているのかもしれません。

帰化選手については色々な見方があるでしょうけれど、とりあえず個々人の主観だけをあてはめるのも暴論だろうと思います。まずはイタリア人にアンケート調査をしてみるべきではないでしょうか（笑）

Comment(2) TrackBack() ▲ENTRY-TOP

Comment

それはいい案ですね。 - ゼシカ

2007.12.02 Sun 23:40 URL [ EDIT ]

そんな問題が起こってたんですね(・ω・)ﾓﾆｭ?
21世紀になってもそういう問題ってのは
根っこが深い問題なんでしょうか。。
帰化した選手にまで口出しする前に
川の果てさんの言われるように、
まずはイタリアでアンケとって
もらったらいいですね....φ(・ω・｀ )

＞ゼシカ様 - 川の果て

2007.12.03 Mon 00:17 URL [ EDIT ]

一時期カタールが一度も立ち寄ったことのない選手を帰化させようとしたりしましたから、行き過ぎな部分もあるんですよね。ただ、問題自体は随分と昔から存在しているようでして…

イタリアでは現在あるブラジル人ＦＷが帰化するしないって話があるみたいで、帰化したら代表に入るかもしれないという話があるみたいです。
ただ、政治的に極端な人達が多いのでアンケートを取るとどんな結果になるかは中々予想がつかない部分があります。

TITLE：
NAME：
MAIL：
URL：
COLOR：
EMOJI：
COMMENT：
Password：	※１
Secret：	管理者にだけ表示を許可する※２
※１　パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。 ※２　チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

▲PAGE-TOP

TrackBack

TrackBackURL ：

▲PAGE-TOP

プロフィール

ＨＮ：

川の果て

性別：

男性

自己紹介：

Favorite Team
　Americanfootball
　Chicago Bears
　Jacksonville Jaguars

　Football
　Leeds United
　FC Dynamo Kiyv
　IFK Goteborg
　VfB Stuttgart
　Shonan Belmare
　etc...

　Baseball
　Tokyo Yakult Swallows

アンケート

兄弟？ブログ

管理人専用・管理ページへ

Otava
Twitterをまとめてみたもの。