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2011年は勝てるのだろうか…?
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これまでの話 → ◆
[登場人物]
カイ…人魚姫の妹
カイト…汎用人型兵器
メッチー…演技が得意
エビちゃん…薬物が大好き
クムマキアグエロ…自然を愛する小熊
ロンメダアル…100mを10秒6で走る
うぅ、がけっぷちに追い込まれ、あたし絶体絶命の大ピーンチ!
「むっ…?」
そのとき、クムマキアグエロが西を向いた。
「…自然の悲しむ声が聞こえます」
日本最強の自然愛護者がそれに続く。
何の話、あたしには全然分からないけど、と思っていると、何か遠くから爆裂音が聞こえてきた。
ひょっとして、暴走族って奴かしら?
「おのれ、いい歳した大人が排煙を撒き散らして自然を痛めつけようとするとは…
<暴走族>高齢化 「成人」の割合5割超す 警察庁まとめ(毎日新聞)
人間はどこまで腐っているのか! 行くぞ、トーレス!」
クムマキアグエロは「クン、クーン!」と叫びながら走っていった。愛犬トーレスが『バウ、バウッ!』と続き、
「大自然の鉄槌を食らわす必要がありますね」
ナ●ルルもそう言って鷹につかまって移動していった。鷹に負担をかけるのは自然の点からしてどうなんだろうとは思ったけど、とりあえず助かったわ…
さて、ズラタンは探してもどこにもいない。崖から落ちたのかしら? まあ、ズラタンのことだからそのくらい大丈夫だろうけれど。
同じところで待っていると、あの二人が戻ってきた時に怖いのでメッチーがやられた場所へと戻っていった。と、カイトがメッチーを抱えてきた。
「姫、ご無事でしたか」
「ま、何とかね。メッチーはどうなの?」
「完全に目を回しているようです」
確かに、メッチーの目は渦巻き型に回っている。でも、何か違和感を感じるわ、何か…
「ふ~、酷い目に遭いましたよ」
「メッチー!」
やっぱりというか、木の上にメッチーが潜んでいた。ってか、ライオンのくせに木に登らないでくれる?
「じ、じゃあこれは…?」
「ぬいぐるみでしょ。おそらく、日頃はぬいぐるみの中に潜んでいて、それでいてピンチと察したのでぬいぐるみの中から脱出した。そしてぬいぐるみを遠隔操作で操って、あたかも本人がやられているように見せかけた。そんなところでしょ」
メッチー、何かすごく感心した様子であたしを見た。
「すごいですね。僕の奥義を見抜いたのは貴女が初めてです」
いい加減あんたのパターンも分かってくるわよ。
「で、そこまではいいとして、その後あたし達が追われている間何していたのよ」
得意の奇襲攻撃を仕掛けてくれれば、崖っぷちに追い込まれることもなかったというのに。
「それはですね、クムマキアグエロとトーレスを相手にするのはバルサマンをもってしても難しい話、一人では苦しいかなと思ったのです。近くの暴走族をひきつけて二人をそっちの退治に向かわせることにした方が結果的には助かる確率が高いんじゃないかと」
「なるほど…」
賢いっていえば賢いし、すごいといえばすごい。
でも、アンタそんなことやってるといつか友達失うわよ。
「しかし姫、あの様子ですとクムマキアグエロはとても鹿を捕まえるのに協力などしてくれそうにありませんな」
鹿は自然の一部だもんね。
うん? 突然カードが光った。カードに対応する誰かが近づいてきているというの?
出てきたのはチャリオット(戦車)。誰なのかしら?
「何か接近してきます。チーターですかね」
カイトがつぶやいた。そんなのんびりしていていいのかって気もしないでもないけど、しばらくすると赤いチーターがものすごいスピードで近くに来た。
「おお、こんなところに人がいるとは驚いたアル」
「…あんた誰?」
「私、ロンメダアル。近くの草原を根城にしているチーターアル」
「で、草原を走るチーターが何でこんなところにいるの?」
「よく聞いてくれたアル。私、足に自信アルネ。そしたら近く、暴走族走ったアル。私、ちょっと好奇心出して競走しようとしたアル。そうしたら、変な奴がやってきて『クン、クーン』と暴走族を退治していったアル」
やっぱり暴走族程度ではクムマキアグエロには勝てなかったわけね。
「で、私、暴走族違うアル。だから私やられることないと安心していたアル。それなのに突然私のこと襲ってきたアル。私ビックリして逃げてきたアル」
「ふ~ん」
それでクムマキアグエロをふりほどいたのなら中々凄いわね。
「見つけたぞ!」
褒めていると、また嫌な声が聞こえてきた。
「ロンメダアル、自然と平和の大敵め、覚悟しろ!」『バウバウッ!』
「私、何したいうアルか?」
「黙れ! 貴様は100mを10秒6で走るというその快足を利用し、鳩を捕まえてはエサにして『ピジョンキャッチャー』なる仇名をいただいたというではないか! 自然と平和の象徴たる鳩を捕獲するとは何たること! 大徳に磨かれた正義の刃を受けてみよ…お、おっ?」
クムマキアグエロは突然フラフラとして、そのままバタッと倒れてしまった。
『バウッ? バウバウッ』
トーレスが必死に起こそうとしているけど、起きない。
「ふ~、どうにか間に合いましたね♪」
物陰からエビちゃんが出てきた。
「…あのさ、大体のことは分かるつもりなんだけど、何したの?」
「幻覚症状のある毒キノコを探して、それを炊いただけです
」
「~だけですって、おい…」
ちなみにこっちは風上なので効果がない。しかし、風下ならエビちゃんが炊かなかったかというと、そういう保証もない…
「とにかく、この間に逃げるが賢いアル」
そ、それはそうかも。あたし達も何時標的にされるか分かったものじゃないし…
ということで、山を降りてきた。
「ところでロンメダアル」
「何アルか?」
「あんた相当足が早そうなんだけど、鹿とか捕まえる気はない?」
「鹿アルか? 鹿は嫌アル」
「嫌って、鳩はいいのに?」
「いいアル。鳩の目を見るアル。濁った目をしていて何とも不気味アル。それにヤツラは平和の象徴言うアルが雑食性アル。街でポッポー言ってエサをあさるくせに、虫も知らん顔して捕まえる裏の顔を持っているアル。私ヤツラのそうしたところが許せないアル。だから私、鳩を捕まえることにしているアル」
「はあ」
「鹿はその点いい奴アル。鹿は草しか食べないアル」
観光地の鹿は餌付けされていて弁当でも肉団子でも食うって話だけどね…
「草しか食べない鹿を捕まえるのは忍びないアル」
「いや、別に食べたりするわけじゃなくて、足の速い鹿を捕まえたという立証をしたいだけなんだけど。それともなぁに? 鳩は捕まえられるけど、鹿は捕まえられないってことなのかしら?」
「ム、ムムムム…」
この手の手合いはこれが一効くわよね。
「分かったアル。捕まえてみるアル。その鹿がいるところに案内するアル」
これまでの話 → ◆
[主な登場人物]
カイ…人魚姫の妹。
カイト…汎用人型兵器。
ズラタン…生意気な犬。
メッチー…演技が得意。
エビちゃん…ミステリアス・ガール?
クムマキアグエロ…コーガ忍者の末裔。
さて、変なネコの襲撃を退け、あたし達は高山を目指し歩く。途中、小さな休憩所で一人のおじいさんとであった。
「このあたりに足の速い人はいませんか?」
「足の速いの? そうじゃのう。足が速いというとクムマキいうものがおるのう。コーガ忍者の末裔だとかで走るときには『クン、クーン!』と言って忍者走りをするのじゃ」
ほほう。中々やりそうな奴じゃない。
「じゃが、そやつは相当に人里離れたところに住んでおるゆえ、果たして会うことができるかどうか…」
なんていわれたけれど、そういう風に言われると会わなければ始まらないでしょ。
ということで、あたし達は山の奥へと進むことにした。
「しかし、そんなに食料がない。俺様は空腹のまま働くのはゴメンだ」
「食料がないならこちらでもどうぞ♪」
エビちゃんが近くで拾ったキノコをズラタンに渡す。
「キノコか。まあいい。この場で贅沢は言っておれん」
ズラタンがパクリと食べようとすると、
「あ、間違えました。それ毒キノコでした」
「何ーッ! ペッ、ペッ!!」
…エビちゃん……
そんなこんなで更に進むと…
「…む? 前方に反応が」
カイトが反応を示す。確かに前方の木の上から一人の浅黒い忍者服の小熊が降りてきた。
「おや、君は…」
メッチーが嬉しそうな顔をした。
「クムマキアグエロじゃないですか。僕ですよ。レオネル・メッチーです」
「知り合いなの?」
「ええ。昔、月にいた頃に一緒に修行をしたこともあります。彼は非常に頼りになる奴ですよ」
「………」
クムマキアグエロは無言のまま手を差し出した。メッチーもにこやかに握手に応じる。
「……クーン!」
「うわー!」
あ、クムマキアグエロがいきなり見えない角度からアッパーを…メッチーはまともにアッパーを喰らっちゃった。あれはさすがに演技じゃないわよね。痛そう…
「ってか、何すんのよ!」
「それはこちらのセリフだ! 勝手に自然の土地に入ってきやがって!」
「自然の土地?」
「そうだ! ここは自然の土地だ! 貴様ら人間の土地なのでばない!
クマ殺処分1900頭超 絶滅の懸念も 本年度・東北(河北新報)
人間は自分達の都合で自然を荒らし、自然の当然の反論すら押しつぶそうとする。俺は自然の代表として、これ以上自然を荒らすものを見過ごすことはできん! クーン!」
うわわっ、手裏剣なんか投げてきた。
『バウッ、バウッ!』
うわわわ。おまけに変な犬まで出てきた。
「行けー、トーレス!」
完全に不意をつかれてしまって、とりあえず逃げるしかないって状況。
「ちくしょう!」
ズラタンがさすがに手裏剣をテコンドーキックで跳ね返したりしているけれど、カイトはメッチーを回収しに行ってはぐれてしまい、何かバラバラにさせられてしまった感じ。
「ぬおっ! 部下までいやがる!」
おまけに別のコーガ忍者が出てきてもう最悪。
「大自然のおしおきです! アンヌムツベ!」
「ウワー!」
うわ! 以前三鷹市のポスターにもなったという日本最強の自然守護者にズラタンまでもが。
あれ、エビちゃんはどこいった?
「エレルシ・カムィ・リムセ!」
うわーっ、怖い怖い怖いー! そんなの喰らったら死んでしまうじゃないのよ!
とにかく山の中を逃げ惑ううちに、はたと気付く。
この先が崖になっているということを。
「あとはお前だけだ!」
「大自然のおしおきです」
『バウバウッ!!』
…ひょっとして、あたし、崖っぷち?
ついでに名前変更?
「がけっぷち犬」飼い主決まる、名前は「リンリン」に(読売新聞)
これまでの話 → ◆
[登場人物]
カイ…人魚姫の妹。
カイト…汎用人型兵器。
ズラタン…生意気な犬。
メッチー…演技大好き。
エビちゃん…その能力は未だ未知数
ケリュネイアの鹿に逃げられたあたし達。
仕方ないので、もっと足の速い生き物を探すため、高山に出かけることにした。高山だと早い人間が多いっていうからね。
で、運行トロッコに乗ってガタンコトンと。
と思ったら、突然ガターンと止まってしまった。
「ちょっと~。どうなってるのよ」
運転士に文句を言ったら、彼は「チェックしに行ってきます」とか言って出て行った。
ところがしばらく待ってもうんともすんとも返事がない。仕方なく外に出てみたら、何と誰もいないじゃない!
運行停止の列車乗務員ら、客を見捨てタクシーで立ち去る(ロイター)
運転士め。客を置いて逃げるとは何て奴だ。
トロッコは完全に止まっているから動かしようがないし、歩いていくしかないみたいね…
「しかし、泡食って逃げ出したということは、余程恐ろしいものでも住んでいるのだろうか…」
「ちょっとズラタン。不吉なことを言うんじゃないわよ」
と答えたら、不意にネコの鳴き声がした。
「…わっ! 何だこのネコは…」
「ダイエットは大嫌い!」世界記録に迫るデブネコちゃん―山東省青島市(Record China)
そこには丸々と太ったネコがいたの。
「ロナウド大五郎の…弟かしら?」
「ミャー」
ネコは「Yes」というように鳴いた。
「…ミャー、ミャー」
何か泣き声が大きくなってきた。
「危ない!」
不意にカイトがATMフィールドを張った。何と太ったネコが首を大きく伸ばして噛み付こうとしてきたじゃない。
「エサー、エサが欲しいミャー」
とか言ってんだけど、言いながら何かムシャムシャと食べてるんだけど…
「今食べてるのの控えとして僕達を食べようとしているみたいですね」
「メッチー。得意の死んだふりはしないの?」
「死んだふりは油断させるためにするものですが、アイツ相手にやっていたら食べられるじゃないですか」
それはそうか…
ネコはまるでヘビがまとめて11匹の犬を飲み込まんがごとくに口を大きく開けてATMフィールドに噛み付いている。ちょ、ちょっとカイト。フィールドは大丈夫なの?
「エネルギーが続く限りは…」
切れたら終わりってことじゃん!
「ズラタン、メッチー、何とかしてよ」
「いや、何とかしてって言われても」
「あれだけ口を大きく開けられていると、反撃しようとしたまま飲み込まれかねないです…」
「…グスン。あたしが、何とかします…」
と、エビちゃんが進み出てきた。大丈夫なの、こいつ?
「カイトさん。フィールドの一角に穴を開けて♪」
「あ、はぁ…」
カイトがフィールドの一部を解くと、ネコの飲み込まんばかりの空気が凄い。
「……たぁ
」
エビちゃんが何か小さな気合弾みたいなのを打ち出した…なんかエビカツバーガーみたいな形してたけど。けど、何かあっさり飲み込まれた。
「エサーエサー」
ぜ、全然効果が無さそうなんだけど…
「もっと食うにゃー…食わせろにゃー…ウッ!!」
ネコは急に苦しそうに呻いたかと思うと、ガクガク震えて動かなくなった。
「ふぅ♪ ようやくコカインが効いてきたみたいです」
「…おい」
「こんなこともあろうかと、純度の高いコカインを持っていてよかったです♪」
「あのさ、一つ聞いていい?」
「何でしょうか?」
「あんた、二つ前の話で薬物はやめたって言ってたわよね?」
「はい♪」
「じゃあさ、何で純度の高いコカインとか持ってるわけ?」
「ですからぁ、こんなこともあろうかと…♪」
ニッコリと答えるエビちゃん、き、危険すぎる…コイツ。
でも、ま、今回に関してはエビちゃんのおかげで助かったのも事実。とりあえず、フィールドを解いて更に高山の方に向かうことにしたってわけ。
とんだ道草を食ってしまったわ…
これまでの話 → ◆
[登場人物]
カイ…人魚姫の妹。現時点では特技なし。
カイト…純白騎士でかつ汎用人型兵器。強いが存在感がない。
ズラタン…生意気な犬。
メッチー…演技と何故かプロレス技が得意。
エビちゃん…みんなのエビちゃん(笑)
アツシくん…逃げ足が速い。通称ケリュネイアの鹿
ということで、あたし達はケリュネイアの鹿を追うべくケリュネイアにやってきた。
「…遠距離スコープで調査してみます」
と、カイトが言うので早速調査してもらった。
「…ここから1キロほど離れた見晴らしのいい草原に一匹の鹿がいます」
「やっぱり周囲に気を遣ってるの?」
「そういう感じはありません。『ヤナギサーワー』とか歌っています。サーワーは妙に高いです」
…確かに鹿のようね。
「普通に草を食べているようです」
ま、それならとりあえず近づいてみよう、ということで向かうことにした。
しばらく歩くと、
「あ、何かに気付いたように警戒しています」
…って、まだ300メートル程の距離があるのに?
「『シュートの匂いがする』と言っています」
シュート?
別にあたし達は撃つつもりはないんだけど…捕まえたいだけで。
「あっ。『シュートは嫌だ。スペースに走る』と逃げ出しました」
早っ! まだ250メートル以上あるのに。
すごい警戒心の強い鹿なのね。ハンターに対する意識が並半端ではなさそう。
「ふむぅ。さすが俺様が認めるだけあって素早い。それだけ警戒心が強いとなると、逃げる方向に待ち伏せするしかないな」
とズラタンが言うので、早速待ち伏せ作戦をとることにした。駆り立てるのはズラタン、待ち伏せ役はメッチーはじめみんなということで。
「任せてください。僕があの鹿を捕まえてみせますよ」
メッチーは自信満々に引き受けた。
まあね、メッチーには期待しているから。
ということで、作戦開始。
「俺様が捕まえに来てやったんだ! 有難くお縄を頂戴しやがれ!」
ズラタンが大仰に叫んで鹿を追い立て始めた。
鹿は同じくスペースに逃げ始める。あ、ちなみにあたしは遠いところから双眼鏡でチェックして作戦指示を出す役ね。
む、鹿は急に方向転換をした。行く先にカイトが潜んでいて、ある程度近づいてきたら襲い掛かってくることに気付いたのね。200メートルほど離れているはずなのに何ていう鋭い嗅覚。
あ、更に方向転換をしたわ。エビちゃんにも気付いたのね。エビちゃんは無害そうに見えるのに…
しかし、メッチーにはさすがに気付かないみたい。そっちの方向に逃げているわ。
「……!!」
おっと、さすがにメッチーが視界に入ってきて鹿は警戒を強めたわ。
メッチーは倒れている。体に弾痕があって血を流していて、いかにも撃たれて息絶えたかのような感じで。その瞳孔は開いていて呼吸もしていない……一体どんなトリックを使っているのやら…
「……」
警戒の様子は解かないけど、ズラタン、カイト、エビちゃんが三方向から巧く取り囲むように包囲しているから逃げ道はそっちしかないし、メッチーのそばを通りかかる。
「今だ!」
すぐそばまで近づいた時、メッチーは突然起き上がり、起き上がりざまローリングソバットをかました。
「!!!」
「何!?」
しか~し、次の瞬間驚いたのはメッチーの方だった。完璧な体勢で決まったと思われたローリングソバットを、鹿はバック宙でかわし、全くスピードを落とすことなく側転を繰り返して逃げていった。
「スペースに逃げる~」
みたいなことを叫んで鹿は逃げている。空振ったメッチーはというと…
「そ…そんな…、そんな馬鹿な……」
愕然とした表情で、ガックリと膝から落ちた。余程ショックだったようね。
しかし、あの鹿の警戒心と逃げるための行動の鋭さは、本当にただものではないわ。
「…本能、生まれながらの本能がシュートを怖がり、スペースへ逃げようとさせているのでしょう。ただでさえ警戒心の強い鹿がああまでいたると、並の生き物では手が出せませぬ」
あたしもそれは同感。
「しかし、逃げることに専念してくれていて良かった。もしあの鹿が邪な野望を抱いていたら、俺様も一目置かなければならないほどの恐ろしい存在になっていただろう」
ズラタンはそんなことを言っている。
もっとも、邪な野望しか持ち合わせず、食べることしか考えていない奴もいるけどね。
「イタリア料理は美味いぶー。ヒラヤマソーダももっと食うぶー。あとでファッションモデルを見ながらビフテキも食おうぶー」
……
………
「シクシクシク。やっぱり捕まえられないのね」
こいつ……(怒)
にしても、あのままヤナギサーワーの鹿に好き放題逃げられるのも癪だわ。
次回までに捕獲作戦を本格化させないとね。
これまでの話 → ◆
とりあえずあたし達はヒュドラを退治し、ミリート兄弟も追い払った。
やれやれ、あの迷惑な蟹がいなくなって、とりあえず落ち着いたわ。
「ワハハハハ!」
…って思ったら、あの二人、何か知らないけれど戻ってきた。
「勝った! 我々は勝ったぞ!」
「…何が勝ったのよ?」
「まずは、我らが親愛なるバシーレ将軍が我々を月の軍団として認めてくれたことだ!」
「………」
おのれ、過去の遺物め。余計なことを…
「そしてもっとうれしいのは…これを見たまえ!」
ヤクルト若手2人が結婚! - 野球ニュース : nikkansports.com
ヤクルトは23日、川本良平捕手(24)と松井光介投手(28)が結婚したと発表した。
記事抜粋ここまで
「ついに我々の価値観の一部が認められるに至ったのだ!」
「………」
…ってか、この配信記事はないわよね。いや、本当にマジなのかと思いそうだし…
「でも兄弟じゃねえじゃん」
ズラタンが珍しくナイス突っ込み。
「フン。このような形の婚姻が認められるにいたったら、兄弟婚が認められる日も遠くない。何せ、兄妹(姉弟)婚と異なり、兄弟婚や姉妹婚には遺伝の問題が起きないのだから!」
またこの二人、熱く語りだした…
「で、それを主張した上で何だと言うのよ?」
「それだけだ。また会おう、明智君!」
二人は言いたいことだけ言ったのか、さっさと去っていった。何てはた迷惑な奴ら…
ということで、余計な邪魔は入ったけれど、ヒュドラを退治したあたし達は意気揚々と街に帰ることにした。
「シクシクシクシク」
まあ、道端で可愛い女の子が泣いているわ。
「どうしたの?」
「シクシク。実は私、薬物を使ったということで厳しいお仕置きを受けてしまったの…」
…そら自業自得だわ。
「…で、私更正を誓ったんだけど、私の周りの人達は『父親は偉大な人間だったのに、その子供は何だ』って認めてくれなくて、それで更正したというのならケリュネイアの鹿を捕まえろと言い出したの」
「ほう。そいつは大変だ」
「知っているの? ズラタン…」
「ああ。俺様もチラと聞いたのだが、すさまじく逃げ足が速いとかで奴を捕まえるのは全盛期のロナウド大五郎かオーウェンでもなければ無理だとかいう」
…ズラタンがそこまで言うのなら相当なものね。まぁ、確かに第三の試練なんだけどね。
「私、もう本当に薬物はやめたのに、このままじゃみんなに認めてもらえない。シクシクシク」
「…姫、このままでは彼女が可哀相であります」
騎士道精神旺盛なカイトがそんなこと言い出した。
ま、あたしもね、可愛い女の子が困っていると何とかしてあげたい気にはなる。でも別に変な趣味があるわけじゃないわよ。
「面白そうじゃないですか。そんな鹿を捕まえたらバルサマンの格が上がろうというものです…うん?」
メッチーが不思議そうな声をあげた。
何と、タロットカードが光っているじゃない。出てきたのがホイール・オブ・フォーチューン(運命の輪)。
この女の子、一体何者なの?
「そういえばあたしはカイ。あなたは?」
「私、エビちゃん」
女の子は名乗った。
中々可愛い名前よね。
しかしズラタンは首を傾げた。
「エビ? エビというと、そんな名前の男が俺様の近くの国にいたような気がするぞ」
って、男を出してどうする、男を出して。
「確かエビ・スモラレクとかいう名前だったような気が…」
「あら、貴方私のことをご存知なのね♪」
…
……
ちょっと待てー!!
「私、エビ・スモラレク。ポルスキの名家スモラレク家の御曹司なの
ショパンを弾かせたら天下一品なのよ」
「……男、なんですか?」
メッチーがマジマジとあたしを見た。それはどういう意味なのよ(怒)
くう、ミリート兄弟に続いて、またまたとんでもないのを出してきて…あの馬鹿管理人め~!