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2011年は勝てるのだろうか…?
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これまでの話 → ◆
「…残念だが、さよならだ」
ディエゴがそう言って鋏を振りかぶる。
メッチーが大ピーンチ!
さあさあどうする、どうする…
アイフルが大幅リストラ、有人店舗を約4分の1に(読売新聞)
…じゃなくて、もちろん助けておいた方が得よね。見殺しにしたら、後でバルサマンから恨まれそうだし…
ということでカイトがバッと飛び掛り、プログレッシヴ・ナイフでガブリエルにスパーンと斬りかかる。
もちろんガブリエルはかわしたけれど、当然メッチーは解放された。
「フフフフ、そうかい。君たちはあくまで僕達の邪魔をするというんだね」
「あのねぇ…」
いきなり傍らで喧嘩始めて動くなということ自体無茶苦茶というもんでしょ。
「だったら僕達も容赦しないよ」
もちろんガブリエルは聞く耳もたずで笛を吹いた。するとはいずる音が聞こえてきて、程なくヒュドラが姿を現したわ。う~む、本当に首が9つある。
「ヒュドラよ。この娘達が君の弟の仇だ」
なんてあたし達を紹介した。弟の仇って何よ! 弟の仇って!
…って待てよ。
『うおー、弟の仇、許さーん!』
「…ひょっとして、こいつの弟って八股の大蛇のこと?」
「他に誰がいる?」
ぬー、確かにあいつを倒したのはあたし達だ。だから仇というのは間違っていない。
しかし、それはまた厄介な話よね。
「さて、これで2対3か。あ、一応は3対3か」
ディエゴがあからさまに勝ち誇った様子で言い放つ。あたしが何もできないとわかっていて言っているんだから悔しいけれど、でも実際どうしたものかしら。数的不利を覆す方法は…
考えている間にも、ヒュドラとカイトが対峙している関係でメッチーとミリート兄弟が1対2になっているわ。
…一方の注意をひきつけて、その間にメッチーに速攻で一人倒してもらって数的に互角の状況を作り出すのが無難ね。
「蟹兄弟!」
あたしは叫んで、タロットカードを一枚取り出して人差し指と中指ではさみこんだ。
「…何のつもりだ?」
「フフン。あまり使いたくないけど、奥義を使うっていうわけよ」
「…奥義?」
「この手のカードに魔力があるってのはお約束でしょ。これを投げるとカードに応じた天変地位が起きるっていうわけ」
「…何だと?」
ディエゴがちょっとビビッたような顔をしたわ。今のうちに。
「すごいじゃないですか! もっと早く使ってくださいよ!」
……メッチーはワクワクしたような顔つきであたしを見ていた。
ってかおまえが真に受けてどうする?
「…兄さん、単なるブラフかもしれないよ」
ギクッ。
「…そうだな。そんな魔力があるのなら、もっと早くから使っていたはずだ。いいだろう、その魔力とやらを見せてみろ」
ぐぐぐ。相手が冷静さを取り戻したわ。焦らせるだけ焦らそうにも当のメッチーが一番期待している様子では…
…仕方ない。
メッチー、コレを投げる瞬間、二人の関心がそっちに向くんだから、その間に絶対倒しなさいよ! いいわね。
…あの顔つきを見ていると期待できないけれど。
ええい、もう、どうにでもなれ~! あたしはカードを空中に放り投げた。
そうしたらカードがピカーンと輝いた。ありゃ?
「何だ?」
と兄弟とメッチーが注視する。いやあたしもだけど…
カードの光の先の空間が裂けていく。まさか、本当に結界とか張れたりするの?
空間の割れ目から声が聞こえてきた。
「どわ~~!」
という声とともに一匹の青黒の犬が出てきた。
「ちきしょうめ! このズラタン様を突然吸い込んだのはどこの誰だってんだ!」
…出てきたのは雪の女王に捕まっていたはずのズラタンだった。
空中に浮かぶカードが赤く輝いている。
…ひょっとしたら、このカード、対応するのを強制的に召還させることができたりするの?
だとしたら、あの意地悪賢者、そういうことを何で教えてくれないんだ。
ちなみにあたしが適当に掴んで放り投げたカードは「フール(愚者)」だった。納得…
これまでの話 → ◆
ネメアの大獅子を倒したあたし達は意気揚々と街に戻ってきた。
「ぶー。メッチーじゃないかぶー。おまえもオイラ達と食べ歩きの旅に出るぶー」
「…あ、いや、ボクはいいです。これから戻らないといけませんので」
「ぶー。おまえ嫌な奴だぶー」
「……?」
「おいらとヒラヤマソーダには戻るところがないのを知っていて嫌味を言っているぶー」
いやアンタ、それは違うって。
「仕方ないぶー。冷たいメッチーは置いておいてまた旅立つぶー」
「…あたし達も遠慮しておくわ」
「ぶー。つまらないぶー」
そんなこと言っても、アンタ達使えなさすぎだもん。
そんなこんなであたし達は大五郎とヒラヤマソーダに別れを告げ、メッチーと一緒にバルサマンの本拠地に向かうことにしたの。あそこなら何人かカードに対応する人とかいそうだしさ。
さて途中まで旅をしていると、今度はレルネに住むというヒュドラーの退治を頼まれた。九つの首があって、恐ろしい毒を吐き出すらしいわ。
ふふん、最初がいきなり五番目の掃除だったけれど、大獅子がきてヒュドラーということは順番通りになってきたってわけね。
「ヒュドラーには仲のいいカニがいるんだそうです」
そいつも知ってるわよ。ま、どっちにしてもカイトとメッチーがいれば何とかなる、はず。
なので早速、レルネの沼の方に出かけようとした。そうしたら、いきなり空が真っ黒くなってしまったじゃない!
「何、またあの女なの?」
「…あっちで何か光ってますよ」
メッチーが指摘した方向には確かに何か光っているものが。ん、待てよ。あの光、どこかで…
とにかく向かってみることにしたあたし達、しばらく走ると、何と遠くにあのネ申竜が見えたのよ。
ということは、ドラゴンポールを誰かが集めたってことなのね。誰? まさか、あの女?
『ドラゴンポールを集めしものよ。汝が願いを言うがいい』
うわ~、遠くでネ申竜が呼び出した者に何か話してる~!
「願いはただ一つ! 冥府にいる我が兄ディエゴの復活を!」
続けて声が聞こえてきた。うん、この声どこかで聞いたような…
『たやすいことだ』
ネ申竜が答えて、パッと光り輝いたかと思うと、空が明るくなった。
「兄さん!」
「ガブリエルよ!」
……うわ~、ミリート兄弟だ~。
って待てよ。ということは、ヒュドラーと仲のいい蟹ってもしかして…
とか思っていると、向こうがこっちに気がついたみたい。
「む、貴様は人魚姫の妹!」
ディエゴが力入れて叫べば、ガブリエルの目も険しくなった。
「…本当だ。君はとことんまで僕達の邪魔をする気なんだね…」
「いや、別に邪魔するつもりは。それより一人でドラゴンポール集めたのね」
「…ふん。僕達の愛の前では球っころ七個集める程度など…」
「まだそんなことを…」
「もう一年待ってからまた七個集めて、今度はあらゆる恋愛を許容する世の中にしてもらうんだ!」
「…まだそんなことを……」
呆れているとカバンが光った。何い、まさか? まさか…
「ム? その面妖なカードは…タロットカードか。ムーンじゃないか」
ムーン? ムーン(月)なのね?
良かった、ラヴァーズだったらどうしようかと思っちゃった。でも何でムーンなの?
「月は妖かしの象徴だからでしょう」
カイトが答えた。そんなものなのかしら。しかし、まるでネタのないところから勝手に妖かしの象徴にまでしてしまっていいのかしら?
ま、それはいいわ。
「ところで、この近くにヒュドラーが住んでるっていうけど?」
「フフフ。彼は僕の親友さ。彼がドラゴンポールを集めるのに協力してくれたおかげでさっさと集めることができたんだ」
「う~ん…」
「しかるに君たちはさしずめ、そのヒュドラーを倒しにきたようだ…」
ギクッ、バレてるし。
この二人相手…まあ、以前カイトが一人でボコボコにしていたから勝てないことはないだろうけれど、倒しあぐねている間にヒュドラーがやってくれば厄介なことになりそうね。
「まあ、しかし、彼が恨みを呼ぶことをしているのも事実かもしれないから、場合によっては見過ごしてあげてもいい」
「…場合によっては?」
「そう。つまり…こういうことだ!」
とガブリエルが突然鋏を伸ばしてきた。一瞬ギョッとしたけど狙いはあたしとカイトじゃない。
「うわっ!」
と後ろでメッチーが慌てて避ける。
「君が無事だとセレステ連合軍で兄さんと一緒にいるのが難しいんでね。しばらくオネンネしてもらう!」
あららら、何かよく分からないけど、なし崩し的にミリート兄弟とメッチーが喧嘩を始めちゃった。
「セレステ連合軍は優れた選手しか入れませんが、候補を一人消せばその分別の人が入る可能性は高くなるということなんでしょうね」
カイトが言う…すごい嫌な理由だ。
つまり条件というのは、自分達がメッチーをオネンネさせる間、見て見ぬふりをしていなさいということなのね。
どうしたものかしら…
メッチーはおもむろに背を向けて走り出す。逃げるのかと思いきや、真ん前にある木を垂直に駆け上がる。てっぺんから舞い上がっての月面宙返り、ムーンサルトプレスだ!
「おっと…」
が、ディエゴがあっさり横にかわした。標的を失ってそのまま自爆…
「ガブリエル! 上だ!」
ディエゴが叫ぶ。ガブリエルも迷わず飛んだ。
「…しまった!」
そうしたら、そこに何故かメッチーがいてガブリエルの鋏にガッチリと捕まった。じゃあ今自爆したのは一体何なのよ?
「…瞬間的にぬいぐるみを放って自爆と見せかけつつ、本体が第二弾を仕掛けるつもりだったみたいですね」
カイトが解説を加えているけど、一体どんなことをすればそんな手品じみたことができるのよ。しっかり見抜いている方もすごいけど…
とにかく、ガブリエルの強烈な鋏によるマークにつかまって身動きとれないメッチーに、ディエゴが大きな鋏をぶん回して近づいていく。
「…残念だが、サヨナラだ」
そのセリフ何回使えば気が済むのよ?
これまでの話 → ◆
さて、ということでネメアの大獅子を倒しに行くことになったあたし達だけど、ロナウド大五郎とヒラヤマソーダはやる気がなくて震えるばかり。大五郎はともかく、ヒラヤマソーダは単なる大木なんだからライオンが食べるはずないというのに。
「そげん言うがども、オイは怖いタイ」
いきなりエセ九州弁になっているし…
ということで二人は役に立たないんだけど、何といってもネメアの大獅子といえば最強のライオン。いかに汎用人型兵器のカイトといえども一人だけだと苦戦するのは目に見えているわ。そこで誰か仲間が必要だということで強者の噂を聞かないか、大募集をかけてみることにしたわ。
ボクサー警官「大募集」引退後は犯罪KOをお願い(読売新聞)
そうしたら、近くで「小さなライオンがリハビリをしている」という情報をゲットしたの。
「大獅子の子供でしょうか?」
「とりあえず見に行くわよ」
小さいライオンならカイトでも倒せるでしょ。
それで早速噂されたリハビリ場所に行ってみると確かに小さいライオンが肘打ちの練習をしていたわ。向こうがこっちに気付いて声をかけてきた。
「人魚姫の妹さんじゃないですか。ボクのこと覚えてます? メッチーです」
そう、小さい獅子っていうのは管理人をして「もっとも使いにくかったキャラ」といわしめた小獅子のメッチーだったの。
でもカードは反応しないわね。
「わざわざあまり人のいないリハビリ場に来るなんてボクに何か用ですか?」
「実は…」
と経緯を説明すると。
「ボクで良ければ力になりますよ」
と安請け合いしてくれた。そんなものでいいの?」
「リハビリの度合いを見極めるにはいい機会だと思いますので」
ふぅん、中々頼りになりそう。
ということで、他に協力者はいなかったけどメッチーが味方になってくれたのでとにかくあたし達は大獅子退治に向かうことにした。
しばらく歩いていると、
『ガオー! オレ、オマエタチ、タオス!』
と大獅子が早速襲い掛かってきた。
あとはよろしく。
「お任せください」
「さあ、倒してやるとも!」
とメッチーが飛び掛る。
『ガオー』
大獅子が腕をブンと振り回す。
「うわ~~~っ!」
メッチーは悲鳴をあげて大きく吹っ飛んだかと思うと、ゴロゴロと数回転した挙句に動かなくなった。じんわりと地上に赤い染みが広がっていく。ひぇ~~。
ちょっとちょっと、それじゃ弱すぎるじゃない…と突っ込みを入れたくなったけど、これでカイトと大獅子がサシの勝負をすることになってちょっと厳しいかも。
『ガオー!』
大獅子は腕をブンと振り回す。カイトはそれを避けて反撃の機会を探る。けど大獅子のパワーが凄いからカイトは後退一方。
何かまずい状況になってきたわ…
『トドメダ。ガオー!』
大獅子が両腕をふりかざして飛び掛った瞬間、
いきなり背後から小さな影が飛び掛って、大獅子の腕を捕らえた!
そしてそのまま素早く腕ひしぎ逆十字固めの体勢に。飛びつき腕ひしぎ逆十字固めとは中々侮れない…
『ガオ? オ、オマエ、タオシタハズ…』
そう、体勢が決まって分かったんだけど、飛びついたのはさっきまで倒れていたはずのメッチーだった。で、何故か額のあたりが血に染まっているんだけどさっき顔に攻撃受けてたっけ…
『ガオ…オマエ、オレ、ダマシタナ』
大獅子はそんなことを言う。
…どうやら、メッチーは実際には攻撃を受けていないにもかかわらずさも無茶苦茶な攻撃を受けたように見せかけ、尚且つ時代劇で使われる見せ掛け血糊の袋を仕込んでおいて、それを割って出血したように見せかけて死んだフリをして油断を狙っていたわけか。
何て芸の込み入ったことを。
『ガオ…イタイ、ギブアップ、ギブアップ』
いや、ここはリングじゃないからギブアップしてもダメなんだって。
「動けないものを倒すは騎士道に反することなれど、御免!」
カイトがあっさりとプログレッシヴ・ナイフを突き立てて終わり。最期は可哀相な気もしたけど、今まで迷惑かけてたから仕方ないわよね。
「ふう。実戦に出てリハビリが順調なのがよく分かりました」
メッチーは機嫌が良さそうだけど、順調なのは技術と演技のどっちなんだろう…?
「それじゃ、この獅子の皮を剥いで証拠としてもっていきましょう」
とカイトとメッチーはそそくさと後始末に入った。
ま、とりあえず無事に終わったからいいか。
と思ったその時、
「…あら、ネメアの大獅子といえば最強を謳われた獅子でしたが意外と大したことがなかったのですね」
聞き覚えのある妙に丁寧かつ嫌味な口調が空から聞こえてきた。あたしは無意識に叫ぶ。
「ついに出てきたわね、破滅女!」
「…貴女はしつこく私の邪魔をしてくるのですね。ストーカーは嫌われますよ」
「勝手にストーカーにするんじゃないわよ。あんただってあの手この手で世界を真っ黒にしようとしている妄執の塊じゃないの!」
と叫ぶと、がちょう番の娘はバカにしたかのような溜息をついたわ。姿は見えないけどつくづく腹が立つ!
「貴女は何も理解していないのですね。何度でも言いますが、光があるからこそ闇が出き、光と闇という区別があるからこそ争いが生じるのです。もはやこの世界は暗黒の淵に立たされているのですわ。
地球滅亡まであと5分=北の核、温暖化などで2分進む-終末時計(時事通信)
しかしながら、闇を消し去るというのは不可能です。闇は無なのであり、無を更になくすということはできません。ですから、有なる光を奪い去ることで平等なる暗黒の世を作り出し、それによって争いを封じなければならないのです」
「それで22のタロットカードの正位置を逆位置にしたということなのね」
「…そんな大したことをしたつもりはないのですけれどね…偶々時の砂なるものを見つけたのでそこにみんなを呼んで砂時計をひっくり返してもらっただけですわ」
要チェック、要チェーック! カイト、覚えておきなさい。分かったわね。
「……?」
「とにかく、早く戻しなさいよ!」
「…面倒ですわ。やりたければご自分でおやりくださいませ。それでは私は別の用件もありますので」
そう言って、あの女はいなくなった。
とにかく、時の砂とかいうものがある場所に当人を連れていって、本人に元に戻させればいいのね。場所を当人たちが知っていれば問題ないのだけど、あの女のことだから光明に忘れさせているような気もするわ。
とにかく、一歩前進があったということでまた次に続くわけ。
で、まあ、紆余曲折とかあって、いきなりヘラクレス第五の試練を消化することになったわけだけど、それが無事に終わって改めてあたしとカイトは白い巨人軍の本拠地に向かうことにしたの。
で、無事に到達したってわけ。
それにしても危ない危ない。目当ての奴が最近放逐寸前だって話じゃない。
もう少し遅れたら大西洋を渡って新大陸に行かなければならないところだったわ。
「おまえ、頭の中で随分言いたい放題言っているように見えるぶー」
「あらロナウド大五郎。久しぶり」
噂をすれば陰とはまさにこのことね。
「おまえ、大賢者オシムなる人物の命令を受けてタロットカードを探しているとか聞いたぶー」
何と。彼は意外にもあたし達の旅の意味を理解してたわ。
「新聞はあることないこと書くからきちんとチェックしているぶー」
「そうなんだ。大変ね」
「で、オイラを探すということはオイラが22のカードの一つだと思っているぶーね?」
「うん。きっとこれよ!」
カードが示すまで待つ必要もないわ。あたしは一枚のカードを取り出した。
ズバリこれ、ザ・フール(愚者)!
「…お前、最大に失礼な奴だぶー」
「でもそうじゃない」
自信満々に取り出したフールのカード。しかし、カカーの時に示したような輝きは見せてくれない。何故、どうして、Why?
「姫、カバンの中が光っています」
えー、うっそー。違うの?
カバンの中から一枚のカードが出てきた。それは…
…ハングドマン(吊られし男)
…確かに、何かある度に「動けない」とか「太っている」とか吊るしあげられているから、これはこれで納得かも。
「…何かカッコよくないぶー。オイラは皇帝とか星とかだと思っていたのにつまらないぶー」
いやあんた、それは無理だって。
で、大五郎は面白くないのか室内に戻っていったわ。外ではゴン狐ラウルとか聖人イケルとかがランニングをしているのに。
「あんた練習しないの?」
「オイラは食事中だぶー」
そう言って戻っていった。
「…姫、あのまま行かせていいのですか?」
とカイトは尋ねてくるわけだけど、あたしとしてはカードが示すことは分かっても、だったら何をしたらいいのか分からない。かといって大賢者オシムに聞きに戻れば「考えることが大切だ」とか言われそうだからな~。
とりあえず22人チェックしたらそのあとまた考えればいいんじゃないかと思うしね。全員揃えたらあの女が出てきそうだし、そこで白黒つけてやるのよ!
「おや、姫。またカバンの中が…」
とか考えていたら何とまた別のカードが出てきたわ。ということは、ここにはもう一人誰かがいるということね。
出てきたのはザ・タワー(塔)。
…ハングドマンといい破滅を象徴するタワーといい、ここはロクなカードの持ち主がいないのね。
あたりを見回していると、室内から大五郎と何者かが談笑しているのが聞こえてきた。大五郎が食っているのはともかくとして付き合っているロクでもなしがもう一人いるということね。カードはどうも中の方を示しているようだし、ちょっと様子を見に行こう。
「うまいぶー。うまいぶー」
「これも美味しソーダ」
ロナウド大五郎と食事をしているのは一本の大きな木だったわ。確かに塔みたいに高いわね。幹に比べると枝が太い気がするけれど。
「おー。人魚姫の妹。おまえも食べるぶー」
大五郎はあたしに気付くとタップリ脂ののったステーキの切れ端を食べ、それはそれは至福の表情をした。大賢者オシムの前であれを一切れ食べたら1キロくらい罰走させられそうね。
「人魚姫の妹? …あ、失礼」
もう一本の木の方は何か思わせぶりなことを言った。
「…あの木、どうやら人魚は食べられるのかどうか考えたようでございます」
カイトが耳打ちしてきた。冗談じゃないわよ。それにしても、こっちも負けずによく食べるな…
「紹介するぶー。コイツはオイラのマブダチでヒラヤマソーダって言うんだぶー」
「ヒラヤマソーダです。よろしく」
「まるで炭酸水みたいな名前ね」
そしていかにも気が抜けるのが早そうだわ…そしてこいつが「タワー」なわけね。
「オイラはヒラヤマソーダと世界の珍味食べ歩き計画を練っているんだぶー」
「ここはどうすんのよ?」
「ここはやめるぶー。つまんないぶー。これは最後の晩餐ファイナルシリーズの最終回なんだぶー」
何回最後の晩餐があったんだ…
「せっかくだから二人もついてくるぶー。食事は大勢で食べる方が楽しいぶー」
うーむ。そう言われてもな~。
「しかし、何かあった時には大勢いた方がいいかもしれません。それに我々もアテもなく旅をしているのですから」
カイトはお姉ちゃんばりにまともなことを言っているけれど、あの二人がアテになるのかというのが問題だし、一緒に食事に付き合わされるとどうなることか…
とはいえ、一緒にいるとカードの持ち主をどう扱えばいいか分かるかもしれないから、結局一緒に行くことにしたの。
で、早速白い巨人軍を後にしてテクテクと街道を歩いていると…
「近くで大きな獅子が出てきて、狩人や旅人を食っている」
という話がでてきたわ。ふむふむ、ネメアの大獅子が出てきたということね。
「どうか退治してください」
と頼まれたので、まあ、引き受けた。とりあえずあたしは戦力にならないとしても、三人いるのだし…
…と思ったら、
「ライオン怖いぶー」
「ヒラヤマソーダも怖いですー」
…てめえら。
「ライオンの肉も珍味じゃない」
「死んだら元も子もないぶー」
二人は頑として動かない。
……結局頼れるのは自分だけだということね…