川の果ての更に果てに

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2025.02.12 -

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66年に起きた袴田事件については単に冤罪可能性の高い事件の一つというだけでなく、ボクシング界が積極的に支援活動をしているという点でも世間でも割と関心の高い再審事件の一つであります。
その袴田氏の支援活動に、地裁判決を下した裁判官まで加わったという中々興味深い話がありました。

「無罪の心証」袴田事件の元裁判官、３９年後の告白（読売新聞）

今回支援に出てきた人は68年の地裁判決で主任裁判官として判決文を起案した人なんだそうです。
ただ、記事が短いのでこの裁判官は「無罪の心証を抱いていたけど、状況などから有罪を言っていた」のかあるいは「無罪の心証を抱いて主張してたけど、多数決で負けて有罪判決を書いたのか」はよく分かりません。
判決書いた翌年に退官してその後は弁護士として活動していたということは何となく前者のような気はしますけれど。無罪判決を書いたり違憲判決を書いたら出世できないみたいなのはある種の不文律みたいな感じで法曹界に存在しているなんて言いますからね。

記事には「裁判官には判決に至る議論の過程や内容を明かしてはならない「評議の秘密」が裁判所法で規定されており」その点で論議を呼ぶだろうとありますが、これはどうなんですかね。明文規定はないものの、一定期間が経過すれば公表していいんじゃないかという気もしないではないです。
何せ元の殺人事件自体が25年（当時は15年）で公訴時効にかかるわけで、またそれとは別に刑の執行にしても時効にかかる（刑法32条：ちなみに死刑執行期間を判決確定から六箇月以内でなければならないとする刑訴法475条２項と死刑執行が30年行われないことも予定している刑法32条の関係は矛盾はしないけど中々興味深いです。ただ、これについて述べられたりしていることはあまりないような気がします）ということで、関与した裁判官の評議だけが永遠に秘密にされるべしというのもやや違和感を感じます。ある程度の年数が経過すればあとは歴史的事実として後世に残すために公表するというのもそれはそれで一つの考え方なんじゃないかとは思いますけどね。

実際のところどうだったかなんてのはもう分かる由もないでしょうけれど、当時の裁判官が支援を示唆したということで支援者としては意を強くしていることは間違いなさそう。
ただ、まあ、当然ながら法務省とか刑務所はより頑なになるでしょうね。名張の奥西死刑囚あたりもそうでしょうけれど、「執行はしない（したくてもできない）けど、獄死するまで出すものか」って方針なのではないかと思います。

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