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2026.04.26 - 
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Die Gansemagd 4

2006.12.12 - 駄文
これまでの話 → 
がちょう番の娘の話 → 

さて、所変わって、がちょう番の娘が本拠地としているある東欧の教会…
がちょう番の娘が魔法陣の中でブツブツ呪文を唱えていると、一匹のエンジの犬がやってきました。
「たりらりらー。こんにちはなのらー」
「…どうしたのです? トッティちゃま」
「人魚ひめ一行がまたまたこうかいを成こうさせたのらー」
「…何故ところどころに平仮名が…?」
疑問に思ったがちょう番の娘ですが、トッティちゃまには難しい漢字が分からないのです。
「ま、それはそれとして今回はきちんとDVDに撮影してきたでしょうね?」
「大じょうぶなのらー。今かいは言われたとおりのボタンを押してきたのら」
「…二つしかないボタンの右と言われて、どうして前回間違えたのか、そちらの方が私には理解できないのですが。ま、いいでしょう」
がちょう番の娘は早速、トッティちゃまの持ってきたDVDを再生します。

「ちくしょう。このデカブツ、メンタル面は弱いくせに(おまえが言うか[笑])パワーだけは異様にありやがる!」
ズラタンが例によってブツクサ不平を言っています。
「…フフ、フフフフ。オイラは孤独。孤独なハイジ。誰もオイラを理解してくれないのさ」
とドカドカ攻撃を仕掛けているのは付近を荒らすモンスターのアドリアーノでした。
「こんな奴ににやられたとあってはガッカリだよ!」
と王子様が切りかかりますが、ドーンと跳ね飛ばされてしまいました。
「どわああ!」
しかも、跳ね飛ばされた王子様がうっかりしていたズラタンに直撃し、二人とも大きく跳ね飛ばされてしまいました。
「王子様! ズラタン!」
「うわー。バカ王子はさもかくズラタンまでやられちゃったよー! こ、こうなったら…」
と人魚姫の妹、すぐさまハンマーを取り出し、手前にいる人魚姫を。
「エーイ!」
「…!?」
バタし倒れた人魚姫、しばらくするとヌラリと立ち上がって。
「……修正してあげます!」
叫ぶやいなや、たちまち無数のビットが広がったかと思うと、その一つ一つから暗黒の波動砲が飛びまどいました。
「うわああああっ! オイラが何をしたって言うんだぁぁぁっ!?」
アドリアーノはなす術もなく倒されてしまいました(酷い扱いだ)。
「…出てこなければ、やられなかったのに…」
人魚姫はそう言ってバタリと倒れました。
「…何で今回はカミーユなの…?」

再生が終了しました。
「うー。アドリアーノがあんなにかんたんにやられたのはひさしぶりに見るのら。トッティちゃまこわいのらー((;¨д°))」
「……フフフフ」
「何がおかしいのら? 人魚ひめがつよくなると、がちょうばんのむすめさまにとっても良くないことなのら」
「彼女は私と似ている。それがうれしいのです」
「似ている?」
「そうです。彼女は私と同じ、闇を取り込める体質、そして闇が彼女の本質を少しずつ侵食しているのが見てとれます」 
「ぶー。トッティちゃまはむずかしいことがよく分からないのらー」
「…つまり、彼女は本人も気付いていないもののどんどん黒くなってきているということです。元々が白い程染まる時には真っ黒になる……彼女は最終的には我々の仲間になりうる人材です。同じ闇の眷属として頼れる存在になるでしょう」
「あのつよい人魚ひめがなかまになるのらー? ローマに来てくれればスクデットが取れるのらー!! ワーイ、ワーイ!」
「ただ、現時点では闇が前面に出ているのは一時だけ。いつも闇の側面が出てくるようにしなければなりません」
「どうしたら、そうなるのら?」
「もっと…もっと、彼女を闇に触れさせるのです。全部が真っ黒になってしまうくらいに…」
「うびゅう。トッティちゃまよく分からないのら」
「…(;^_^) そうですね。人魚姫があの力をいつも発動するよう、もっと強い相手を頻繁にぶつけるのです」
「いざとなってら、トッティちゃまも行けということらね?」
「ま、そう思っていただいて差し支えないでしょう。やってくれますね?」
「あたり前だのクラッカー。こわいけど、ローマがスクデットをとるためにはトッティちゃまがんばるのら」
どうやらトッティちゃまは、がちょう番の娘の「ローマにスクデットを取らせてやる」という騙し文句にまんまと引っかかっていたようでした。

巧い誘いにはご用心…
突然得た不思議な力にもご用心を(笑)

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The Saga of Fenrir

2006.12.10 - 駄文
これまでの話 → 
フェンリルの話については → 

さて、船はしばらくして小さな島につきました。
「この島に財宝があるという噂がある。探しに行こう」
船長がそういうので、一同財宝を探すため近くの村に行きました。
「…財宝? そういえば、ルーミーが沢山集めているという話だよ?」
「ルーミー?」
「ああ、ウェイン・ルーミーといって日頃は野山で虎や熊を捕らえて生活しているが、一旦怒らせると付近の村々を襲うとんでもない奴なのだ」
「…ウェイン・ルーミー」
「……ツイテいるな。人魚姫」
「何がですか? ディエゴ・ミリート?」
「ルーミーはお前たちを毛嫌いしている赤い悪魔団の実力者だ。その赤い悪魔団の実力者を俺達の協力も得て倒すことができるのだから」
「はあ…」
一行はルーミーの財宝に照準を合わせ、首尾よく手に入れたら3分の1ずつに分けるということで合意しました。

ということで、6人はルーミーを探しに行きました。程なく、草原でルーミーを発見しました。
「アハハハハ。待て待て待て~」
ルーミーは小さなスズメを追いかけていました。
「あれがウェイン・ルーミーですか」
「何となくやんちゃなガキにしか見えないけれど」
と言っていると、ルーミーは石につまずいてボテッと転んでしまいました。ルーミーはしばらくうずくまっていますが…
「ビエエエエエエ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。!!! 痛いよー!!」
不意に耳をつんざくような大声で泣き出しました。そして一度口を開くやゴーと凄まじい音をたてて炎が放たれます。
「うわあああっ!」
全員慌てて逃げました。炎は遠くの森までゴーゴー燃やしています。
「口は後ろにない。後ろに回りこむぞ!」
ディエゴの言葉に王子様が反応し、二人で後ろに回りこみました。そして、ガチッとルーミーを捉えますが、
「ウワアアアアアン・°・(ノД`)・°・!!」
しかし、ルーミーは背中に手を回して二人を捕まえ、遠くにぶん投げてしまいました。二人はギューンと山の向こうにまで放り投げられてしまいます。
「バカ王子!」「兄さん!」
ズラタンとガブリエル、構えなおしました。
「…やりやがる。俺様の力をもってしても簡単に勝てそうにない」
「この手の話だとありがちだけど、当人の実力を無視して、ストーリーの後半に出るやつほど強くなるからね…」
「イタイヨー((((((ノ゚⊿゚)ノ!!!」
ルーミーは続いて地面を掴み、付近の地盤をめくり上げて放り投げました。
「このまま奴を暴れさせるのは災厄だ。おまえ、いい考えはないのか? 俺様にはあるぞ」
「…聞こうじゃないか」
ズラタンはガブリエルに耳打ちをしました。話を聞いているガブリエルの顔が険しくなります。
「…Σ(~∀~||;) そ、そんなこと、本当にできるのか?」
「お前は蟹だ。お前ならできる」
そう言うとズラタンは一本の紐を取り出しました。それは猫の足音、女の顎髭、山の根元、熊の神経、魚の吐息、鳥の唾液などで作られたグレイプニルという絶対に切れない紐でした(ちなみに材料として全部使われてしまったために、今日これらのものは存在しない)。
「…そんなものどこで手に入れた?」
「これは北欧神話のものだ。俺様は北欧の全てだから、北欧のものを手に入れるなどたやすい。俺様が望めばノーベル賞も白夜もすぐに手に入る。こらこら、ルーミールーミー。痛くなくなるようにしてやろう」
「…本当に? Σ(・ω・ノ)ノ!」
「ああ、本当だとも。このバンドエイドでお前の傷口を覆えば」
「…僕を騙しているんじゃないだろうな?」
「そんなことするはずがない。そんなに疑うなら俺様の親友の足を掴んでいればいい」
とズラタンはガブリエルの足をルーミーにつかませました。そしてルーミーをグレイプニルで近くの岩場に縛り付けてしまいました。
「……動けない? ウワアアアアアン・°・(ノД`)・°・!! 僕を騙したな~!!」
ルーミーは怒ってガブリエルの足を引っこ抜いてしまいました。
「痛い!」
と叫んだものの、ガブリエルは蟹なので足が一本なくなっても平気です。
「これでルーミーは動けまい。さて、お前の兄貴とお宝を探すとしよう」
「ついでにあの馬鹿王子もね」

こうして、一行はルーミーのお宝と二人を回収しました。そして、船長、一行、ミリート兄弟で三分割して分け合いました。
「さて、巧くいったし今夜は近くの酒場で宴会だ~」
「そんなことやったら、また貴方は仕事に遅れてチームから追放されてしまうのではないですか?」
人魚姫の指摘にズラタンはムッとしましたが、とにかくその夜は楽しく過ごしました。
で、翌日…
「あれ、船は?」
戻ってくると船がありませんでした。よしばらく探すと砂浜に船長が転がっています。
「くっ、くそう。あの蟹野郎共にやられた! 俺達の取り分と船を奪ってどこかに逃げやがった!」
「…なるほど、そういうことなのかい。やってくれるねー」
王子様がニヤリと笑いました。
「でも、蟹なのに何で海を移動するのに船が必要なのかしら…?」
宝を運ぶのに必要なんすよ(笑)

The adventure of Algo

2006.12.09 - 駄文

これまでの話 → 

さて、何とかスールシャールとヘンリクの襲撃を免れた一行でしたが、せっかくの船を失い、草薙の剣までもヘンリクに渡してしまいました。
「こうなったら、またどこかへ航海して財宝を探し当てるしかないね」
と王子様はまるでしょげるところもなく、早速船乗り場へと向かいました。
と、ちょうどアルゴー号と呼ばれる船が遠くへ遠征するということで有能な船乗りを募集していました。
「あれはいいね。あれに乗ってまたお宝をゲットしようじゃないのさ」
「…王子、あんたは気楽でいいね」
人魚姫の妹はそんな呆れた様子でしたが、他にアテもないので結局は従うことになりました。
「よし、アンタ達で決まりだ」
船長は一行を快く迎え、間もなく出航しました。

「ところで船長。募集した船乗りってアタイ達だけなのかい?」
「いや、もう二人いるよ。中々強そうな二人組だ」
とか話していると、キャビンから二匹のカニが現れました。
「むむっ? 貴様は人魚姫!」
「貴方達は…ミリート兄弟!」
「何でい、知り合いか?」
暢気な船長を他所に、一行とミリート兄弟の間には激しい殺気が走りました。
「兄さん、今度こそ、コイツらを…」
ガブリエルが一歩前に踏み出しましたが、ディエゴがそれを押し止めました。
「兄さん…?」
「今回は財宝のために協力するということで船に乗っている。それを違反すれば勝っても船から追い出されるだけ。我々に得るものはないし、船長にとっても損だ。ここで戦っても誰も得はしない」
「しかし!」
「冷静になれ、ガブリエル!」
「……分かったよ、兄さん」
「そういうことでいいかな?」
「貴方方に戦う意思がないなら、私達もわざわざ手を出す理由はありません」
「って、まさに呉越同舟って感じね~」
ともあれ、一行はミリート兄弟と協力することになりました。
注:元ネタが元ネタなのでディエゴ冷静、ガブリエル直情になっていますが、本物のミリート兄弟は兄貴のディエゴの方が血の気が多いらしい。

「しかしさぁ、随分と復帰が早いわね」
人魚姫の妹が不思議そうに尋ねます。
「皆の大人気に応えてだ」
「嘘をつくな嘘を」
「嘘ではない。この系エントリばかりを集めているもう一つのブログでは、我々兄弟が出る前は50,000位台をキープしていたが、我々が出た二日間、何と順位が35,000位まで、10,000以上もランクアップした。そして、我々がいなくなるとまた下がった。これすなわち、世間が我々を求めている証拠!」
「…くっ。た、たまたまでしょ、たまたま…」
「偶然でしか説明できぬということは、すなわち我々が正しいということだ!」
「………ところでさ、あんた達相変わらず二人で妙な教えを広めてるわけ?」
「妙なこととは何だ! 僕達の崇高な戦いというものは」
「何の話ですか?」
人魚姫が首を傾げました。
「あ、そうか。お姉ちゃんは聞いてないんだっけ。この二人は…」
話を聞き、人魚姫は顔を真っ赤にして驚きました。
「まあ。貴方達はレヴィ・ストロースの人類構造学をご存知ないのですか?」
「名前だけ知っている」
「ならば私が簡単に説明いたします。すなわち、未開社会において、交換は、贈り物という形態でなされるのですがそれは、提供、受容、返礼という三つの義務からなります。婚姻は、女性の交換のシステムと考えられ、そこに近親相姦の禁止が生まれるのです」
「俺達は男だから関係ないではないか」
「ですが、閉鎖的な中で他の女性を受け入れないというのでは交換の拒否に他ならず、歓迎できる話ではありません」
「うわ~、お姉ちゃん、あたしにはさっぱりだよ~」
頭を抱える人魚姫の妹に、ガブリエルが優しく語り掛けます。
「…難しいことを理解することはないんだ。ただ、己の感情に正直でありさえすればいい。僕達のように」
「いや、その考えにもアタシは絶対反対だけど…うわっ!?」
突然、船体がグラグラと揺れました。
「何かが船に体当たりしている!」
船長の声が聞こえてきました。
『パワープレー~』
「あれは、ジョン・カリュー!」
「いや、ですから違いますって。あれは…正しい名前を忘れてしまいました」
「船を沈めさせるわけにはいかん!」
ディエゴとガブリエルはバッと船から飛び降り、大きな鋏でカリューに挑みかかりました。
『197センチのヘッドー』
しかし、カリューはものともせずに強烈なヘッドバッドでディエゴを吹き飛ばしました。
「うわ~」
「兄さん! くっ!! 負けたと思われたくないんだ! 退けないよ!」
ガブリエルは鋏でカリューを押さえつけ、船に向かって叫びました。
「さあ! いつか兄さんを吹き飛ばしたあの技を使うんだ!」
「あの技…?」
首を傾げる人魚姫の後ろで、妹が怪しく目を光らせていました。
「お姉ちゃん、ゴメン!」
「…!!」
ドカンとハンマーで人魚姫の頭を叩いて気絶させました。しばらくすると…
「…闇に惑いし哀れな影よ,人を傷つけ貶めて、罪に溺れし業の魂…いっぺん、死んでみる?
人魚姫がユラリと立ち上がり、暗黒の波動をカリューに向けて発射しました。
『うわー』
「やった! カリューを倒した!」
『そうはいくかー。おまえも道連れだ~』
カリューは最後の力を振り絞って、いつも通り力を使い果たして倒れた人魚姫に向かって飛び掛りました。
「しまった、お姉ちゃん!」
「人魚姫!」
慌てて王子様が人魚姫を引きずってカリューから離そうとしますが、カリューは今まさに水中から飛び上がり、人魚姫に覆いかぶさろうと…
「俺様の舎弟に何しやがるんだー!」
と、青と黒の犬がカリューに飛び掛り、アクロバティックかつ激しいキックで水中に叩き落してしまいました。
『無念~』
「ズラタン!」
「コラ! 俺様の不在が長すぎるんだよ!」
そんなこと言っても、最近、君のキャラですら薄味になってきてるし…

アルゴー号は海に住む魔物カリューを退治し、更に航海を続けます。
シンドバッドこと王子様の3回目の航海も…

Der Froschkonig oder der eiserne Heinrich 2

2006.12.08 - 駄文

前回の内容 → 

さて、お姫様は鞠を手にしてお城に戻り、王様たちと夕食を食べていました。
すると、扉をコツコツと叩くものがありました。
「お姫様、お約束を守ってください…」
それは何と車の下から鞠を取ってきたカエルでした。
「…あ、あんたこんなところまで?」
驚くお姫様を他所に、王様は首を傾げました。
「姫よ。一体どういうことか?」
「あ、あの、それが…」
お姫様は仕方なく、鞠を取ってもらう際に約束したことなどを話しました。
王様はムッとした表情で、
「それはカエルが正しい。姫よ、カエルとの約束を守りなさい」
「ええ~っ?」
お姫様は不満でしたが、王様が「約束は約束だ」というので、仕方なく従いました。
さて、カエルは次々と要求してきます。「椅子にあげてほしい」、「同じスープを飲もう」など。
約束ですから、王様が見ていますから守らざるを得ません。
しかし、お姫様は段々自分が恐喝されているような心境になってきました。

近未来通信、投資家に高額迷惑料…警視庁には「恐喝」(読売新聞)

そして、イライラの募るお姫様をよそにカエルは。
「今度は私をお姫様のベッドに入れてくださいな」
と図々しく要求してきました。
ついにお姫様、ブッチーンと音を立ててキレてしまいました。
「あんたみたいな奴はぁ~」
カエルを手にし、ブンブン手を振り回すと、
「とっととあの世に行ってしまえ~!!」
とぶん投げるなどの暴行を加えました。
「後でお父様に何とでもお言いなさいよ! あたしの貯金でもみ消してやるから。お姫様を馬鹿にするとこうなるのよ!」

前知事への中傷、井山被告「金でつぶす」…和歌山談合(読売新聞)

すると、どうしたことか。カエルが突然煙に包まれ、気がつくと美しい王子様に変身していました。
狐につままれたような顔をするお姫様に王子様は、
「自分は魔女に『自分と一晩を共に過ごしてくれるお姫様に出会うまで解けない呪い』を受けていたのです。貴方のおかげでその呪いが解けました」
と説明しました。
お姫様は先ほどまでとは一転、カッコいい王子様に一目惚れし、ついに二人は結婚することになりました。
二人が結婚すると聞き、王子様の忠臣だったハインリヒが駆けつけてきました(唐突だ)。
さて、王子様が馬車で自分の国へ戻ろうとしていると、突然バチーンというすごい音がしました。
王子様のカエルにされた時悲しみのあまり胸が破裂してしまわないように胸回りに留めていた忠臣ハインリヒの胸の鉄のたがが喜びにはじけた音でした。

めでたし、めでたし

The golden boy Taro 2

2006.12.07 - 駄文

これまでの話 → 

「さて、お嬢さん方、貴方方に二つの選択肢を与えましょう。このクジラ肉を食べて眠ったまま安らかに始末されるか、それとも逃げ惑った挙句、苦しく始末されるか」
「どっちにしても始末されるんかい」
人魚姫の妹は毒づいたものの、ちょっと慌てています。
(とはいえ、お姉ちゃんはついこの前黒い力を解放したばっかだし…)
チラリとロナウドを見ると、残念そうに首を横に振りました。
(基本的には敵ってことだもんね)
「…仕方ありません」
人魚姫が答えました。
「苦しむよりは、苦しくない方がいいです」
「賢明だ。じゃあ、このクジラ肉を食べてくれたまえ」
スールシャールが睡眠薬入りのクジラ肉を差し出してきました。人魚姫はそれをフォークで刺して…
「あ、UFO!!」
「えっ?」
スールシャールが思わず指差す方向を見た瞬間、彼の口の中にクジラ肉を詰め込みました。
「し、しまっ…Zzz」
「今のうちに逃げます!」
「お姉ちゃん、頭いい!」
二人は王子様を引きずって逃げようとしました。と、ぼぉ~という尺八の音が聞こえてきました。
「…何?」
向こうの方から深い編み笠をかぶった虚無僧が歩いてきました。ロナウドがその様子を見て驚愕します。
「あ、あ、あ、お、お前は…」
「拙僧は…北方の虚無僧ヘンリク・ラーション」
ヘンリクは編み笠を取りました。ピカピカのスキンヘッドがまぶしく光っています。
「げげげ。さっき言ってた奴じゃん」
「帝王ファーガソンの敵、貴公らのお命、頂戴つかまつる」
「うわっ。何か真面目に強そう、コイツ。ちょっと馬鹿王子、目を覚ませ!」
「シュピ~、アタイは赤組で紅白に出たいんだよ…」
「ダメだこりゃ。イザとなったら見捨てて逃げよ」
と独り言を言う人魚姫の妹を見、次いでヘンリクは視線を向こうに向けました。
「その前に…、任務に失敗した者に掣肘を食らわさねばならぬ」
ラーションが眠っているスールシャールを尺八で突きました。目を覚ましたスールシャール、ヘンリクの殺気に戦慄の表情を浮かべます。
「帝王の命令に失敗せしもの、それすなわち死あるのみ。覚悟」
「な、何~? 同じ仲間だろ。それに北欧つながりもあるじゃないか!」
スールシャールが弁明しますが、ヘンリクは無言のままです。
「ち、ちくしょう! こうなったら!」
スールシャールが飛び掛りますが、それより早くヘンリクが…

 シャキーン!

「うわー!! やーらーれーたー」
「…また、つまらぬもの(スールシャールファンの人ごめんなさい)を斬ってしまった」
「み、見たこともない太刀筋…」
「拙僧の剣は我流。雲のような我流ゆえ、何者にも捉われることがない」
ヘンリクはパチリと刀をおさめました。
「ロナウド、貴公が証人だ。スールシャールのことは全て任せる」
「あ、う、うん…」
「さて…」
ヘンリクの視線が人魚姫姉妹に向きました。
「次は貴公達だ。婦女子といえども情け無用で参る」
「あわわわ。どうしよう」
「あ、あの、ヘンリクさん…」
「辞世の句か? 聞こう」
「そうではなくて、この刀なんですけれど…」
人魚姫は王子が売り物として持ってきた大蛇の首の中に入っていた刀を差し出しました。
「ほ~、これは…草薙の剣というものではないか。この光沢…うむ、鞘も素晴らしい」
ヘンリク、思わず刀に見惚れました。
「今です!」
人魚姫がまたも王子を引きずって素早く逃げ出しました。
「む、不覚…!」
ヘンリクが追ってくるも二人はそのまま海に飛び込みました。海の中では人魚に泳ぎで勝てる者はいません。
「問題は、彼に強力な武器を渡したことでますます強くしてしまったことです」
「それは大丈夫だよお姉ちゃん。さっきアイツが言ってたじゃん。失敗したら死あるのみって。アイツも失敗したから死あるのみだと思うよ」

同じことはロナウドも考えていました。
「ヘンリクさん、アンタは帝王の命令を受けてきたのに失敗したとなると…」
「心配はご無用」
「…?」
「暗殺指令を受けたのは失敗したスールシャールのみ。拙僧は現在軍団に合流すべく独り旅をしていた途中に過ぎぬ」
「…あ、そう」
「しかるに、今後あの者達と顔合わせする場も出てくるであろう。その時は拙僧も自らの進退をかけて挑まねばなるまいのう」
「…一つ聞いていい?」
「何でもござれ」
「一般のラーションのイメージってそんなのじゃないと思うんだけど」
「作者のラーションのピッチ外でのイメージが若い頃はドレッドヘアをなびかせて好き勝手やっていた奴が、暗い葛藤(ケガ)を経て心を入れ替えて出家したというものゆえ仕方あるまい

さて、荷物を置き去って逃げてしまった人魚姫、またまた財産がなくなり新たなる航海に出る必要がでてきたようです。

ちなみにタイトルの金太郎ですが、ヘンリクが金太郎なのかというとそんな感じでももちろんなく(いや、ファーガソンを源頼光にしようかと思ったりもしましたが)、ただつけるタイトルもないので適当に選んだだけで…童話から完全に逸脱してしまっていたり…
今に始まったことじゃないですが(笑)

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