川の果ての更に果てに

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2025.02.04 -

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何だか近づくにつれて話題も少なくなってきた感のある裁判員制度。もう諦めムードなのでしょうか？

裁判員が担当することになったら大変だろうなという世間で話題になった事件…というと、本日秋田県の児童殺害事件の被告人畠山鈴香に二審も無期懲役という話がありましたが、その話はひとまず置いておいて、もう一ヶ月くらい前かという江東区のいわゆる神隠し事件と、名古屋市千種区の闇サイト殺人事件の一審判決についてちょっと思うところを。

私はこの事件のことはニュースなどで見聞きする以上のことは知らないわけで、傍聴にも行っていない以上裁判でどのようなところが起きていたのか正確なところは分からないということになるのですが、個人的には判決そのものは「まあ妥当なんじゃないかな」という気はしました。
妥当というのは仮に自分が裁判員なら同じだったんじゃないかと。

江東区の事件に関しては、結局のところ物証がないのが大きかったような気がします。犯人の凶悪性というのが色々明らかにされていて、その凶悪性ゆえに死刑求刑がされていたわけですが、その凶悪性というのの大半が本人発言に依拠していて、具体的に何か他にあったのかというと、報道を見る限り分からない、というよりあまり無かったような雰囲気。
本人発言のみを根拠に本人の凶悪性をプラスして、それで死刑にするというのは何となく抵抗があるだろうと思いますし、仕方ないのではないかという気はしますね。

ただ、だから無期懲役というのも仕方ないかなとは思いますが、理由は何とも微妙なものだという気はしました。凶悪性ゆえに死刑という検察側の指摘があったので、それに対応する形で「凶悪無比であるとはいえない」となったのでしょうけれど、途中までは犯行の悪質性みたいなのを指摘しておいて量刑の部分だけそれが来るというのも「それは何かおかしいだろう」とは思いました。

名古屋の千種区の闇サイト殺人事件は要は最初に仲間を募ったのが自首したものだから、その自首をどう評価するかというのが問題になったような雰囲気で、結局罪一等減免みたいな形になりました。
首謀者みたいなものだからそれはおかしいだろうという批判も分からないではないですが、組織犯罪の場合はそれも仕方ないかなあという気はします。今回は個人ばかりの犯罪だったわけですけれど、例えばマフィアとかドラッグ・カルテルなんかの場合で考えると幹部なんかは当然より悪質なことをしているわけですけれど、そういうのが組織を裏切ったりしたら速攻で処罰するのかというとそういうこともなくて歓迎せざるをえない部分もあるわけですね。それだけ色々なことを知っているわけですし。
加えて、今回の事件だけならともかく、自首しなければ別の事件を起こしたかもしれないということを考えれば、犯行を発覚させて捜査負担も減らした…と取れるわけで、社会秩序維持への貢献みたいな部分では多少減免することはこれは仕方ないだろうとは思います。

イタリア・マフィアとかコロンビアのカルテルの話とか見ていると、下っ端はともかく沢山犯罪をやっている者程優遇され、ついでに口封じ対策のために警備員もいる堅固なところに入れてもらっていたりするということで、次元は違うものの親鸞上人が唱えていた悪人正機説みたいなのは今の世の中にもあるのかねえという気はします。

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Comment

無題 - mioeight17

2009.03.25 Wed 19:45 URL [ EDIT ]

ニュース番組の特集でこんなものが以前放映されていたんです。

アメリカで裁判員制度で選ばれた人のインタビューで、死刑をするかしないかを決める１枚の紙切れをわたされてそこに生きるか死ぬかということを書いただけで死刑が執行されるそうなんです。弁護側の証言といえば犯人がむかしこんないい行いをしていたというのを次々と照明したりして死刑を何とか免れようという策なんですけれども、それが逆に裁判員の心の問題にもつながるようで最近問題視されています。

制度を開始したら、次は裁判員をされた方々の心のケア、相談窓口というのが必要になってくるのではと思いますね。

＞mioeight17様 - 川の果て

2009.03.25 Wed 21:27 URL [ EDIT ]

アメリカではそういう話もあるんですね。
それ以外にも向こうでは人種問題とか色々なものが絡まっていますし、想像もできないようなジレンマとかがありそうな気がします。

刑法や刑事訴訟法の大家の団藤重光という人は裁判官をやっていた時に死刑判決を確定させて（おそらく傍聴席から）「人殺し」と呼ばれたのが心残りになっているなんてことを死刑廃止に関する本の中で書かれてました。
専門家ですらそのくらいなのだから、素人の裁判員には厳しい選択なのは間違いないでしょうし、色々なケアが必要になってくるでしょうね。

２ヶ月を切っても、そういう話がどこまで進んでいるのかというのがあまり出てきていないのが気になるところですけれど。

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