このエントリはフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。
野球のドラフトの動向は、日本代表での勢力拡大を狙う各派閥にとっても完全には無視できるものではない。
アナザーナカムラ・ケンゴ「…もぐもぐ。鈴木とかが大挙して選ばれると部外とはいえ侮れない勢力になりますからね」
中村北斗「ぱくぱく。とりあえず、テレビ放映の間では有力勢力は誰も選ばれなかったね」
中村直志「むしゃむしゃ。辛うじて斎藤が多少いるくらいやで」
アナザーナカムラ・ケンゴ「…ごくごく。私の後輩にあたる澤村も順当に選ばれましたか」
中村北斗「はふはふ。本人希望とはいえ巨人以外どこも指名しなかったとはちょっと意外だ」
アナザーナカムラ・ケンゴ「……」
澤穂希「ケンゴウ。澤村はウチの系列のところでもらいたいから、手はずよろしく」
アナザーナカムラ・ケンゴ「て、手はずと言っても私は別に野球界には…」
澤穂希「もしウチの系列以外のところになったら…」
アナザーナカムラ・ケンゴ「ひぃぃぃ!」
アナザーナカムラ・ケンゴ(巨人でよかった…)
中村北斗「むごむご。おっ、中村が選ばれた…」
かくして。
中村北斗「結局、中村は一人だけか。しかし、田中も一人だし、中田はいないし、鈴木もいないからあまり大きな影響を及ぼすことはなさそうだ」
中村直志「となると、やはりU21が焦点を浴びることになりそうやで」
中村祐也「ただ、こちらも鈴木大輔がいる程度で
中村北斗「ケンゴウ、関塚監督に頼んで何とかならないのかい?」
アナザーナカムラ・ケンゴ「それがですね…」
アナザーナカムラ・ケンゴ「関塚さん、U21の選考基準は何というかその、以前の岡田路線を更に進めてしまったもののように感じられてならないのですが」
バーニングハート関塚「よく言った! ケンゴウ!」
アナザーナカムラ・ケンゴ「だから私の名前は…」
バーニングハート関塚「俺も、こんな、こんな、こんなバランス重視の選考は頭に来る! 俺の好き勝手にやらせたくない誰かの力が働いているとしか思えない! いや、実際働いているのだが…」
ミステルザック「バランス、バランス大切ね。セキグチ、イノハ、今までにないタイプ(の名前)ね」
アナザーナカムラ・ケンゴ「結局しばらくは様子を見るしかなさそうです。まだ新監督の真価も見極めたわけではないですしね」
中村北斗「とすると、別競技からの横槍はドラフト見る限りなさそうだし、海外組の動向とかの影響力も気になるなぁ」
アナザーナカムラ・ケンゴ「まあ、寒くなるんであまり動くのも面倒ですけれどね。今年はナビスコも捨てましたし」
中村北斗「さすがに2年連続優勝チームが降格圏でもがいてるのを見ると、あまりいい思いはないね。って僕はその当事者じゃー!」
中村直志「(何一人でボケもツッコミもやっとんねん)プレゼントのお菓子一年分が選手をダメにしてみゃうって話やで」
寒いというと。
時間を少し遡るが、代表監督岡ちゃんはワールドカップメンバー23名の中に覚醒中の香川シンジではなく、矢野貴章を選んでいた。
加地亮「…監督。やっぱシンジはダメだっていうのかい?」
代表監督岡ちゃん「答える必要がない…」
加地亮「確かに、まだあんたのチームではシンジのシンクロ率は低い。だが、シンジは…もういいだろう。しかし、何故矢野なのだ? それくらい俺に教えてくれてもいいだろう?」
代表監督岡ちゃん「南アフリカは冬だ」
加地亮「あ? ああ、南半球だからこれから寒くなるな」
代表監督岡ちゃん「矢野貴ションは寒冷地に強いタイプだ。寒くなった試合では役に立つ」
加地亮「…なるほど。特化型選手を一人用意しておけば、少ない確率だが大雪にでもなった場合に矢野貴ションが役に立つということか。ヒマラヤソータも寒い方が強いが…」
代表監督岡ちゃん「代表はネタではない」
加地亮(絶対嘘だ…)
寒冷地新潟で覚醒し、寒ければ寒いほど活躍すると言われている矢野貴ション。
そんな矢野貴ションを寒い寒いロシアが放置しておくはずがない。
アムカル・ペルミのフロントは日本でもっとも寒さに強いFWの情報をゲットしていた。
アムカルスカウト「この矢野貴ションというFWはヘディングが強く、よく動く。そして寒冷地ではいつもの3倍のパワーを発揮するらしい。こんなに北国向けの選手は中々いない」
アムカルフロントA「名前からしていかにも寒さに強そうだ。是非とも獲得しよう!」
かくして、アムカルの経営陣が日本にやってきたが…
アムカルフロントB「おお、アレだ。DFになれるくらいに守備意欲も高く、ヘディングが強い。運動量豊富でゴールはあまりあげないFW。おい、彼を獲得したい」
ジェフフロント「マキィですか? 別にいいですよ」
ドイツ・フライブルクは環境に関する関心の高い街である。
フライブルクフロントA「フォルカー・フィンケからのレポートが来た」
フィンケはフライブルクで長期間監督を務めていた。
フライブルクフロントB「第二のハセベは獲得できそうか?」
フィンケ・レポート『残念ながら私のチームに第二のハセベはいない。というかハセベ欲しい』
フライブルクフロントA「いや、それをこちらに言われても…」
フィンケ・レポート『しかし、別のチームにはそれにふさわしいチームがいる。マキィだ。マキィは日本の言葉で薪と同じ意味だ。石油・石炭を忌み嫌う環境都市フライブルクにマッチしている。しかも、彼はFWだがとんでもない守備意識があり、ヘディングも強く、サイドもこなす。第二のハセベとするにふさわしい選手だ。というかマキィ欲しい』
フライブルクフロントB「なるほどマキィか」
ここまで来ればオチはお分かりかと思うが…
フライブルクフロント「おお、あの守備意識にヘディングの強さ、あれがマキィだ! お~い、僕達は君と契約したい」
矢野貴ション「そういえば海外のどこかのチームがすごく高い評価をしていたって話があったな。OK、自分も海外で試してみたい」
なんて話が出ないように頑張ってもらいたいものである。