川の果ての更に果てに

柏レイソル　０　－　２　浦和レッズ
（浦和）26'ワシントン　38'小野

柏レイソル	浦和レッズ
佐藤　　ﾌﾗﾝｻ 平山　　ｱﾙｾｳ　　山根　　阿部 大谷　　古賀　　近藤　　蔵川 南	ﾜｼﾝﾄﾝ　　永井 ﾎﾟﾝﾃ 小野　　長谷部　　鈴木　　山田 阿部　　闘莉王　　坪井 都築

ここから先はフィクションであり、実在の人物とは関係ありません。思惑なども一致しない可能性があります。

苦労の人石崎「さてはて、今回はホームというのに中立地に近い国立で、菅沼と李がおらぬ。中々に苦しい試合じゃが、ま、なるようになるかの」
赤い彗星オジェック「…何か予想もしないフォーメーションで来たもんだな…」

前半
15分まではどちらつかずの展開。
苦労の人石崎「ホホホホ。良いぞ、良いぞ」
赤い彗星オジェック「チィッッッ！」

15分過ぎに山根が負傷したあたりから浦和が徐々にオフザボールの動きで柏を上回り、チャンスを作り始める。
苦労の人石崎「うぅむ、山根はわしの全てを叩き込んだ弟子だけに、何とかもってほしいものじゃが」
赤い彗星オジェック「よしよし、ボールキープが安定し、相手ボールになったときも選手間の距離が正しいのでピンチらしいピンチも迎えなくなってきた。前節４－４－２を試してみたのが効いていて、どんな状況でも人と人との距離が理想的に推移している」
苦労の人石崎「確かにわしらがどこでボールをキープしていてもアップアップじゃのう。まあ、そもそも真ん中に裁き手がおらんというのもあるんじゃがの。で、ボールキープがままならないのでフランサが下がりすぎよるから、結果的に由紀彦が前にポツネンと残っておることになる。ただ、由紀彦がそこにいてもほとんど怖さは無いしどうにもならんという状態じゃ。まあ、そのあたりのリスクを承知で起用している以上は文句は言えんのじゃが」

26分、永井が右サイドを深く突破してからのクロスにワシントンが合わせてレッズ先制。
苦労の人石崎「ふむぅ、いかんのう。山根はやっぱり無理なようじゃ。仕方ない、小林を入れるとするかのう」
それでもレッズの攻勢が続き、38分、スルーパスをＤＦがクリアできず、抜け出した小野が落ち着いて流し込み追加点。
赤い彗星オジェック「伸二、勝利の栄光を、君に！」
小野「（喜びながらも）…何か、僕が後で思い切り痛い目に遭いそうなセリフっすね」
赤い彗星オジェック「大丈夫。別に君のお父上に恨みはないから」
苦労の人石崎「この追加点は余計じゃのう」

40分過ぎ、闘莉王が相手と競り合う。
闘莉王「いってぇ～！　レフェリー、あいつ肘出したよ！」
松尾氏「……（無視）」
闘莉王「肘出したって！　どこに目つけてんだよ、この●×※！！」
松尾氏、黙ってイエローカードを提示。
闘莉王「ガビーン！」
赤い彗星オジェック「…認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものは」
苦労の人石崎「そうじゃのう」
前半は０－２で終了。

後半
苦労の人石崎「ほとんど何もしておらなんだ阿部に替えてドゥンビアを入れるとするかのう」
赤い彗星オジェック「ドゥンビア、ドゥンビア、ワ～オゥ！　ドゥンビア、ドゥンビア、ワ～オゥ！」
苦労の人石崎「相手サポもこれを聞けば踊りださずにいられなくなるという魔性の応援に期待じゃ…んなわけはないが」
前半とは打って変わってレイソルが出てくる。
赤い彗星オジェック「ふむ、修正が効いたのかな？」
苦労の人石崎「修正なんぞしとらんよ。単に前半抑えて後半勝負と決めておっただけじゃ」
赤い彗星オジェック「なるほど。まあ、前半のレイソルはあまりに覇気がなさすぎると思っていたが…ふむぅ、選手達がレイソルの選手ほど動けなくなってきたな」
苦労の人石崎「このあたりがまだレッズにポゼッションサッカーが浸透しきっておらんところなんじゃろうな。キープできる時間にタスクを果たそうとするあまり通常の３倍の運動量で動いてしまう。暑い日ざしの中であれだけ動けば選手達が疲れてしまうのも無理はなかろうて。であるから、わしは前半はある程度相手の好きにやらせてこの時間帯に選手をドバッと替えて勝負に出たかったが、今更言うても詮無きことじゃが山根の交代と２点目が余分じゃったわい。まあ、無駄なあがきかもしれぬが、最後の交替枠をさっさと使うとしよう」
赤い彗星オジェック「で、これまた何をしていたのかほとんど分からない佐藤に替えて谷澤が入ってきたと。う～む、谷澤が予想通りちょこまか仕掛けてきて結構厄介だ。こっちは中盤で大分苦しくなってきたうえに山田と永井が上がれなくなってきたな」
苦労の人石崎「小野ももう一つ動けなくなってきた感があるのじゃが、こちらは阿部勇樹が頑張っておるのう。して、おぬしは選手を変えんのか？」
赤い彗星オジェック「とはいえ、リードしているところで替えて悪くなるとまずい」
苦労の人石崎「ま、確かにその通りではあるがの」

柏はボールキープの時間帯は長くなるが、ミドルシュート二本が都築のセーブに遭うなど決めきれない。
苦労の人石崎「攻めてはいるのじゃが」
赤い彗星オジェック「そうそう入るものではないッ」
苦労の人石崎「入る時は南のスローイングだけで入るんじゃがのう」
南「ヌグッ！　か、監督、人の忌まわしき思い出を引っ張り出さないでください」
苦労の人石崎「これが１点だと相手はこれまで逃げ切り失敗をやっておることだし不安にもなるのじゃろうが」
赤い彗星オジェック「確かに２点目で大分気持ち的には楽になっている。相手にこれ以上切る札がないということも含めてね。ただ、こちらもさすがに右サイドをテコ入れしたいので永井に替えて平川を入れよう」
苦労の人石崎「わしは山田に替えて酒井かと思ったが、ま、意図するところは同じじゃの」
赤い彗星オジェック「う～む、多少はマシになったが、もう一つ良くならないな」
苦労の人石崎「とはいえ、こちらも点を取れん以上は古賀をあげてパワープレーをせざるをえん」
赤い彗星オジェック「単純な放りこみなら闘莉王もいるし、かえってやりやすくなる。うむ、逆に前めにボールを運び易くなった」
苦労の人石崎「それを承知で放りこまねばならぬところが辛いわい」

結局、０－２で終了。
苦労の人石崎「アプローチは間違っておらなんだと思うが、そう思うようにいかぬのが世の中というものよ。良きかな良きかな」
赤い彗星オジェック「前半は理想的だったが、ペース配分をもう少し考えないと終盤に危うい場面を迎えうるということか。これから暑くなってくるからスタミナの浪費も早くなるし…」
苦労の人石崎「では、最後に」
赤い彗星オジェック「うむ」
二人「ドゥンビア、ドゥンビア、ワ～オゥ！」
ドゥンビア「そんなに聞きたいならスタメンで起用してよ」

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